街では桜が開花しても、県内の山の多くは冬山と変わらない環境です。 島崎三歩の「山岳通信」 第107号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年4月4日に配信された第107号では、春模様の街の様子と、まだ雪に覆われている県内の山とのギャップについて説明している。

 

4月4日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第107号では、3月17日~18日に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 3月17日、八ヶ岳連峰東天狗岳で、59歳の男性および60歳の女性が山頂から下山中に滑落する山岳遭難が発生。女性が下山中にバランスを崩し、ロープで繋がれていた同行の男性も女性とともに滑落しともに負傷した。同日中に県警ヘリにより救助され、病院へ搬送された。

  • 3月18日、北アルプス鹿島槍ヶ岳で、42歳男性が鹿島槍ヶ岳北壁で倒れているのを別の登山者により発見された。男性は鹿島槍北壁を登攀中に何らかの原因により滑落した模様。県警ヘリにより救助したものの、死亡が確認された。

  • 3月18日、長野県飯山市の鍋倉山で、44歳の男性が鍋倉山山頂からスノーボードで滑走中に、立木に衝突して負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助され、病院へ搬送された。

鍋倉山での遭難現場の様子(長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)3月22日付)

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

3月下旬となり、桜の開花宣言もされ、全国的には春模様となっていますが、長野県内の山々の多くは雪に覆われ、標高の高い山域ではいまだ冬山と変わらない環境です。特にこれからの時期、低気圧や前線の通過を伴う荒天に見舞われると、山中は猛烈な吹雪となります。
事前に天気予報をチェックし、荒天時は登山を中止する等、安全を優先した判断に心がけてください。

 

春の山火事予防特別強化中!(平成30年3月12日(月)~4月11日(水))

春先は、特に空気が乾燥し、強い風が吹くことから、山火事が起こりやすい時期です。長野県では、昨年度の県消防防災ヘリコプターの事故を受け、上空からの消火が必要な火災などに対応するため、ヘリコプターの運航再開に向けた訓練に取り組んでいるところですが、「山火事を発生させない!」ため、登山者の皆様も例年以上に火の取り扱いにご注意いただくようお願いします。

万が一、火災が発生しているのを見つけた場合は、ただちに119番に通報してください。また、火や煙に巻かれないように身の安全を確保してください。

 

山菜取りや登山、ハイキングなどの野山に出かける際には、タバコやたき火などの火は確実に始末し、火の取り扱いにはくれぐれも気を付けてください。

次のことに十分気を付けてください ※火の取り扱い不注意から山火事多発中!

  • 枯れ草など燃えやすいものがあるところでは、たき火をしないこと
  • たき火など火を使用しているときは、その場を離れず、使用後は完全に消化すること
  • 風が強い日や乾燥している日は、たき火はしないこと
  • たばこは指定された場所で喫煙し、吸いがらは必ず消すとともに、投げ捨てないこと

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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