登山者の強い味方! 山小屋での過ごし方

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みなさん、山小屋に宿泊したことはありますか? 緊急の際の避難小屋から入浴ができる山小屋まで規模も違えば、サービスも千差万別です。しかし、忘れてはならないのは天候が急変したときの大きなより所であり、食料やテントなどの重荷を背負わなくても厳しい山に登ることができる強い味方ということ。今日は初めて山小屋に泊まるという人のために、僕が妄想した山小屋でシミュレーションしてみましょう!

(ここに記述するのはあくまでも一般的な山小屋のイメージです。)

ここは北アルプスのとある3000メートル峰の山の肩にある昔ながらの山小屋。まだまだ太陽は高い。早出早着を心掛けたので余裕を持って山小屋に到着できた!

ポイント1 山小屋には遅くとも午後3時までには到着しよう

食事の時間が決まっており宿泊者が多い時は入れ替え制になる。到着が遅くなると山でのリスクが高まるだけでなく小屋にまで迷惑をかけてしまう。食事も遅くなり、寝る場所もなくなり、翌日の行動にも支障が出てしまう。せっかく山小屋に泊まるのであればゆっくりとした計画を心掛けよう。

年季の入った木の扉を開けると玄関だった。たくさんの下駄箱が並んでいるがほとんど空であった。これが真夏の最盛期となるといっぱいになるらしい。

ポイント2 登山靴の履き間違いに注意!

登山靴の履き間違いは行動に重大な影響を与える。最悪の場合、下山すら不可能になる可能性が・・・。間違わないようにすぐにわかるバンダナや荷物札などのマーキングを靴に結び付けておいておこう。

受付ではテキパキとした真っ黒に日焼けしたスタッフが応対をしてくれた。1泊2食をお願いしたが、お弁当はいるかと聞かれたがどうしようか。

ポイント3 夕食や朝食の時間に注意

夕食や朝食は混雑している場合、入れ替え制で何回転もすることが多い。時間をあらかじめ指定される。素泊まりの場合には別途炊事をどこで行うかなどの注意点を教えてくれる。小屋によっては早立ちの登山者のために朝食の弁当を用意してくれる小屋もある。また予約をした昼食の弁当は朝食時に配布される。

夕食までにはまだまだ時間があるようだ。山を見ながらビールでも飲んでくつろごう。

ポイント4 お酒はほどほどに・・・

ここは3000メートルを超える高所だ。お酒が回りやすくなっているので酒量には要注意。高山病にも注意を払おう。また一眠りの際は必ず暖かくしないと体調を崩してしまう。寝すぎてしまうと夜眠れなくなるので爆睡にはご注意を!

夕食はなんとメインはとんかつだ!トマトにキャベツまでついている。こんなところで食べられるとは思いもしなかった・・・!

ポイント5 食べ過ぎにもご注意を・・・

ヘリコプターでの荷揚げが中心ですが、人力で担ぎ上げている山小屋もあります。大抵の山小屋ではご飯と味噌汁はおかわりできますよ!でも、あまりにも調子のって食べ過ぎないように。

まだ夜の7時だけれどもあとは寝るだけ! 明日に備えて休んでいる人もちらほら見える・・・。

ポイント6 話し声や物音は意外と響きます

早めに休んでいる人のために会話の音量を注意し、談話室に移動したり、荷物の整理などは早めにすませておこう。特にコンビニ袋のガサガサという音は耳障りである。あらかじめ枕元にヘッドランプを用意し、のどが渇いた時のためのボトルを用意しておくと夜中に起きても困らない。

起床時間前から荷物の整理の音がうるさい。ヘッドランプがまぶしくてオチオチ眠れやしない・・・。山での朝日(モルゲンロート)を見にいった登山者が朝食を食べに次々帰ってくる。とても素晴らしかったと言っていたので見ておけばよかったかなあ。今日も暑くなりそうだ。

きちんと水を補給して弁当をもらってトイレを済ませたらさあ出発だ!

プロフィール

高柳 昌央

登山ガイド資格を持つサラリーマン。北海道への移住をめざして活動中。植村直己帯広野外学校所属で北海道山岳ガイド協会会員。ひたすら長い距離をとにかく歩くのが好き。今年の夏は縦走にチャレンジです! ロングトレイルにも興味を持っています。

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