見どころたくさん！東京・玉川上水をたどるハイキング③玉川上水駅から拝島へ

天王橋から松中橋へ

やがて天王橋の交差点に到着。幹線道路が交わる比較的大きな交差点で、喜平橋で分かれた五日市街道が再びここで出合い、交差して北西に向かっていく。また多摩大橋通りが南北に走っており、北に向かうと、例の狭山丘陵の横田トンネルの入り口がある。（参考記事：謎のトンネル群の先にあったものとは？狭山丘陵の知られざる歴史と自然を訪ねるハイキング）

天王橋からは、左岸の緑道ではなく喧噪から離れて右岸を進む。細い舗装路で、豊かな木々に囲まれて落ち着いた雰囲気だ。やがて左側に用水路が並行するようになり、立っていた標識を見ると砂川用水とあった。

そしてすぐに松中橋（まつなかばし）に出る。ちなみに砂川用水の裏手の車道脇にはまた別の用水路があった。後から調べると柴崎分水ということだが、この松中橋付近から南側に2つの分水が分かれていることになる。思えばこれまで歩いてきた中でも、分水口や用水をいくつか見てきたが、それらはほんの一部のはずだ。玉川上水からの分水がどれだけあったのか、見当がつかない。

突如として現われる暗渠部の緑道

松中橋から西に向かい、車道の脇道に入っていく。玉川上水は一度暗渠になり、その上の緑道を進む。

左には何本もの支柱が見える。地形図では「昭和の森ゴルフコース」とあるが、今では閉鎖されているとのこと。

しかし、なぜここに暗渠があるのだろう。ゴルフ場となにか関係があったのだろうか。後日、現地の観光機関に問い合わせたところ、理由が判明した。かつて、この南側のゴルフ場跡の敷地あたりに航空機製造会社があり、試験用の滑走路を作るために玉川上水の一部が「蓋かけ」されたのだという。実際には滑走路自体は作られることはなく、計画のために蓋をされた部分はそのままにされ、今では緑道になっているというわけであった。（参考ページ：昭島市デジタルアーカイブズ｜あきしま 水と記憶の物語）

やがて暗渠区間を過ぎると、小さな滝が見えた。人工のものとはいえ、玉川上水で滝はなかなか珍しい気がする。標高差が激しい箇所の調整だろうか。