見どころたくさん！東京・玉川上水をたどるハイキング⑤番外編四谷大木戸から浅間橋

かつて江戸市中を潤した玉川上水。400年近くもの時を経た今では緑道が整備され、豊かな自然が保たれている。町並みや移ろう自然風景だけではなく、近現代の遺構や技術の結集も点在しており、いろいろな発見や学びが得られるのもおもしろい。

写真・文＝中島タツヤ、トップ写真＝笹塚駅西の稲荷橋付近

暗渠部のラインを見失う

代田橋駅付近の開渠部脇には遊歩道がある。京王線の高架下をくぐって国道20号に出た所で再び暗渠になる。だがここから先、暗渠がどこを通っているのかわからなくなってしまった。ひとまず国道20号を渡り西進。次にはっきり暗渠だとわかるのは、井の頭通りの和泉（いずみ）水圧調整所前にある玉川上水公園からとなる。緑道のようだが、細長い公園となっている。

余談だが代田橋駅の南側には和田堀給水所があり、コロッセオのようなデザインが存在感を放っている。時間に余裕があれば、ぜひ見てみよう。

玉川上水公園を過ぎ、明治大学付近の井の頭線が交差する部分で露出した水道管の脇を通る。これは玉川上水暗渠部が、井の頭線を避けるべく地上に出ているものと思われる。

明治大学を過ぎて通常の歩道を進むと、築地本願寺和田堀廟所の西から再び緑地公園が現われる。少し窪んだ地形の玉川上水永泉寺（えいせんじ）緑地を抜け、玉川上水第三公園の途中から少し高みに付けられた緑道に変わる。

玉川上水第二公園に入り、首都高と合わさる上北沢駅入口で緑道区間が終わる。後は幹線道路沿いの長い歩道歩きを頑張り、浅間橋に到着する。

以下コースデータにて、「コース詳細ページへ」のリンクを設けてある。本記事で紹介したコースデータを自分の登山計画にコピーしたり、コースデータのGPXデータをダウンロードできるのでご利用いただきたい。そして歩いた後は記録を作成して、「みんなの登山記録」でぜひ公開してみよう！

MAP＆DATA

高低図

ヤマタイムで周辺の地図を見るコース詳細ページへ

最適日数：日帰り

コースタイム： 3時間40分

行程：四谷四丁目交差点・・・大木戸門・・・新宿門・・・新宿駅南口・・・代々木緑道・・・初台・・・初台駅・・・西原緑道・・・代々幡橋・・・北沢橋跡・・・笹塚駅・・・稲荷橋・・・ゆずり橋・・・玉川上水公園・・・明治大学・・・下高井戸駅入口・・・玉川上水緑地西端・・・浅間橋・・・富士見ヶ丘駅

総歩行距離：約13,295m

累積標高差：上り約40m　下り約26m

コース定数：11

おわりに

新宿駅南口や代田橋駅北側など一部流路が不明な部分もあったが、今回で玉川上水の浅間橋より下流の暗渠部区間を歩き終えた。点と点、または線をつないで自分なりにコースを設定し、地形や自然にも注目してみると、都心部であっても意外とおもしろい。また歩く途中でいろいろと見聞きし、次なる興味や視野も広がったように思う。今後他にも興味深いところをリサーチして、また歩きに出かけてみたい。

今回の区間も追ってヤマタイムに反映する予定だが、一つ注意点がある。今回紹介した都心部の玉川上水の緑道、特に渋谷区内の一部区間では再開発計画があり、今後部分的に通行制限などが出る可能性がある。実際、今回歩いた際にも、笹塚駅前は工事中であった。