2025年はどこに登る？大人気の名山から静寂の隠れ名山まで、日本百名山・二百名山・三百名山のなかから25座を厳選【山と溪谷2025年1月号】

雑誌『山と溪谷』2025年1月号の特集は「日本百名山日本二百名山日本三百名山」。深田久弥が選定した日本百名山に、日本山岳会が200座を加えた「日本三百名山」には、多くの登山者が訪れる山もあれば、一般登山道がなく難易度の高い山もある。三百名山を知ることで、百名山をより楽しむことができる。北海道から九州までエリア別で構成している特集のなかから、各エリアの名山を25座抜粋して紹介しよう。

構成＝山と溪谷編集部

北アルプス・八ヶ岳

百名山
剱ヶ岳（つるぎだけ）

2999ｍ

登山者の心をつかむ岩と雪の憧れの山
アルペンルートの室堂（むろどう）ターミナル北方に位置する剱岳は、日本を代表する険しい岩山として知られる。北アルプスの中でも日本海近くにそびえるため降雪量が多く、夏でも周辺の谷筋では豊富な残雪を見ることができる。そのため剱岳には岩と雪を伝う数多くのアルパインルートが拓かれ、クライマーや一般登山者にとって「憧れの山」として人気が高い。

この険しい岩山に登るルートに南面の別山（べっさん）尾根と西面の早月（はやつき）尾根があり、どちらも1、2泊で計画するのが一般的だ。別山尾根は室堂ターミナルを起点に、剱沢を経て山頂をめざす。剱沢には3軒の山小屋とキャンプ場があり、ここをベースに頂上を往復する。ルート上には前剱（まえつるぎ）、平蔵の頭（へいぞうのずこ）、カニのたてばい・よこばいといった名だたる難所があり、気の抜けない登下降が続く。一方、早月尾根は登山口の馬場島（ばんばじま）から頂上まで標高差2250mもの急登が続く。前半は樹林帯、後半はもろく急な岩稜で構成されている。2200m付近に早月小屋があり、ここをベースに山頂を往復するのが一般的だが、近年は日帰りで往復する登山者も多い。いずれのコースも自らの体力・技術を過信せず計画することが大切だ。

（写真・文＝星野秀樹）

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二百名山
天狗岳（てんぐだけ）

2646ｍ（西天狗）

南北八ヶ岳を分ける岩峰の双耳峰
八ヶ岳連峰のほぼ中央に位置する岩峰の南八ヶ岳、常緑針葉樹林が広がる北八ヶ岳双方の性格を備える。双耳峰のどちらも2600mを超え、目の前の南八ヶ岳をはじめとするパノラマは圧倒的。山上の山小屋、東西の登山口の山のいで湯、それぞれに複数あるのもうれしい。

（写真・文＝石丸哲也）

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三百名山
朝日岳（あさひだけ）

2418ｍ

北アルプスを代表する花の名山
北アルプスの後立山（うしろたてやま）連峰最北部に位置する朝日岳は、全体的に緩やかな山容が特徴。冬に豊富な積雪があり、夏にはそれが雪解けしたところからいくつもの花の群落が現われる。この山には新潟県の蓮華（れんげ）温泉から瀬戸川（せとがわ）、白高地沢（しらこうちざわ）の2つの沢を越えて五輪（ごりん）尾根を経由するコース、富山県の北又（きたまた）小屋から直接登るコースのほか、白馬岳（しろうまだけ、はくばだけ）から三国境（みくにさかい）経由で雪倉岳（ゆきくらだけ）を越えて縦走していくコース、そして日本海の親不知（おやしらず）へと続く栂海（つがみ）新道などが知られている。

（写真・文＝菊池哲男）