2025年はどこに登る?大人気の名山から静寂の隠れ名山まで、日本百名山・二百名山・三百名山のなかから25座を厳選【山と溪谷2025年1月号】
雑誌『山と溪谷』2025年1月号の特集は「日本百名山 日本二百名山 日本三百名山」。深田久弥が選定した日本百名山に、日本山岳会が200座を加えた「日本三百名山」には、多くの登山者が訪れる山もあれば、一般登山道がなく難易度の高い山もある。三百名山を知ることで、百名山をより楽しむことができる。北海道から九州までエリア別で構成している特集のなかから、各エリアの名山を25座抜粋して紹介しよう。
構成=山と溪谷編集部
東北
百名山
八甲田山(はっこうださん)
ロープウェイを使って白銀の世界を日帰りで
世界屈指の豪雪地帯として知られる八甲田山。例年11月ごろから雪が降り始め、北八甲田と南八甲田の18の峰々から成る八甲田連峰は深い雪に包まれる。大雪や強風といった厳しい気象条件が続く2月には、麓の酸ヶ湯(すかゆ)で積雪が5mを超えることもある。この圧倒的な積雪量がつくり出す白銀の世界を日帰りで楽しめるのが春の八甲田山の魅力だ。おすすめの登山時期は、比較的天候が安定する4月上旬~5月中旬。八甲田ロープウェーを利用し、田茂范岳(たもやちだけ)から井戸岳(いどだけ)、大岳(おおだけ)へと登り、仙人岱(せんにんたい)避難小屋を経由して酸ヶ湯温泉へ下るコースでは、どの地点からも開放的な景色とすばらしい眺望を堪能できる。積雪期であれば登山道がない場所にも登りやすい。睡蓮沼(すいれんぬま)から硫黄岳に登り、傘松峠(かさまつとうげ)へ下山するルートもおすすめだ。
(写真・文=浅井理人)
二百名山
船形山(ふながたやま)
県境をはさんで2つの山名をもつ山
宮城・山形県境にまたがる船形連峰の主峰、船形山。山名は船を伏せたような山容に由来するとされてきたが、近年は船形権現信仰が起源という説もある。一方、山形側では順徳(じゅんとく)天皇が隠れ住んだという伝承から御所山(ごしょざん)と呼ばれている。どのコースも奥深さと美しいブナの森を満喫でき、特に新緑と紅葉の季節がよい。
(写真・文=曽根田 卓)
三百名山
男鹿岳(おじかだけ)
夏道のない難峰にチャレンジ
那須(なす)連峰と高原山(たかはらやま)の間に位置する男鹿山塊。その主峰・男鹿岳は夏道がなく、ヤブが行く手を阻む難峰だ。この山をめざす場合、残雪期に雪を伝って登るのがよい。福島県南会津町から荒れた林道を大川峠まで歩き、そこから県境稜線を忠実にたどって山頂に至るコースがよく利用されている。ただしGPS機器は必携だ。
(写真・文=曽根田 卓)
プロフィール
山と溪谷編集部
『山と溪谷』2026年1月号の特集は「美しき日本百名山」。百名山が最も輝く季節の写真とともに、名山たる所以を一挙紹介する。別冊付録は「日本百名山地図帳2026」と「山の便利帳2026」。
雑誌『山と溪谷』特集より
1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。
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