冬山の最大のリスクは「寒さ」。日帰りの予定でも最低限の備えを 島崎三歩の「山岳通信」 第382号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第382号では、遭難して救助要請をしても、山では救助まで時間がかかることを指摘。最低限の備えを用意しておくことの大切さを説明している。


2月20日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第382号では、期間中に起きた6件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月20日(木)、志賀高原の焼額山で、2人でスキー場管理区域外を滑走中していた40歳の男性が、転倒して雪に埋没、死亡した。

  • 2月22日(土)、南信の大川入山で、2人パーティで入山した36歳の男性が、大川入山から下山中に滑落、登山道に戻ることができずに行動不能となった。

  • 2月22日(土)、木曽郡木曽町日義地籍の山吹山で、単独で入山した60歳の男性が、山吹山から下山中に凍結した登山道で転倒して負傷した。

  • 2月23日(日)、八ヶ岳連峰の阿弥陀岳で、単独で入山した48歳の男性が阿弥陀岳山頂に向けて登山中にバランスを崩して滑落、負傷した。

  • 2月24日(月)、中央アルプスの宝剣岳で、2人パーティで入山した27歳の男性と26歳の女性が、宝剣山荘付近で技量不足により、行動不能となった。

  • 2月24日(月)、北アルプスの唐松岳で、単独で八方尾根から入山した34歳の男性が行方不明となっている。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

先週、長野県内では、6件の山岳遭難が発生しました。

下山中の滑落や転倒による遭難が相次いで発生しています。遭難して救助要請をしても、市街地の110番通報や救急要請のように、数分でパトカーや救急車が現場に到着するわけではありません。数時間、場合によってはその日は現場でビバークをしなければならないケースもあります。 

冬山の最大のリスクは「寒さ」です。ケガなどで行動不能となった場合、次に考えなければならないのは「どうやって寒さから身を守るか」ということです。日帰りの予定であっても最低限、予備の防寒着、簡易シェルター、コンロ、非常食は、必ず携行してください。

遭難のリスクを「自分ごと」として考え「備え」を整えて入山しましょう!

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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