山岳テント、これを選べば間違いなし!自立式ダブルウォール 最新テントカタログ
最新ギアの情報を紹介している雑誌『山と溪谷』2025年6月号の企画「2025テント泊装備」から、テントのカタログを抜粋。素材や設計の見直しにより、大幅な軽量化が進む山岳テントのなかから、幅広い登山者におすすめできる8モデルを紹介しよう。
文=吉澤英晃 写真=小山幸彦(CLOCK)
時勢による変化もあれば、変わらない魅力もある
テントの種類は、設営方法とフライシートの有り無しで自立式と非自立式、ダブルウォールとシングルウォールをかけ合わせた、計4つに分けられる。なかでも一般的といえるのが自立式のダブルウォールテントで、紹介する8つのモデルは、すべてこれに該当する。
自立式ダブルウォールの利点は、ペグで固定しなくても居住空間をつくれる設営のしやすさと、フライシートがあることによる安心感、結露が発生しにくい特徴にあるといえる。最近は1kgを下回るモデルも増えているので、軽いテントが欲しいときも、自立式のダブルウォールから選ぶことができるようになった。
テントを選ぶときは、軽さを気にしつつ、使用サイズと強度にも気を配りたい。同じ1人用でも使用サイズにはバラツキがあり、床面積が広くて天井まで高さのあるほうが居住性は高い。強度は具体的に確かめづらいが、軽いモデルほど丁寧に扱う必要があると考えておくといい。
信頼の老舗メーカーによるアンダー1kgの軽量モデルライペン/SLソロ
重さはわずか900g。居住性を保ちながらフライシート、テント本体、フロアまで薄い布地を使い、同ブランドの山岳テントより一回り細いポールを採用。本体の出入り口を正面から見て若干右にずらした作りでフライとの干渉を避け、スムーズな出入りを可能にしている。
| 価格 | 63,800円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 900g |
| 使用サイズ | W205×D90×H95cm |
夏山でも雪山でも使える安定のオールラウンダーモンベル/ステラリッジテント1本体+レインフライ
短辺に入り口があることで、急斜面のテラス状のスペースにも出入りを気にせずに設営しやすい本格派。雪山用のスノーフライもオプションで用意されている。レインフライは、本体に付属しない代わりに4つのカラーバリエーションが用意されていて好みの色をチョイスできる。
| 価格 | 本体35,200円(税込)+レインフライ17,700円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 本体800g+レインフライ340g |
| 使用サイズ | W90×D210×H105cm |
優れた居住性と剛性がテント泊の不安を払拭ファイントラック/カミナドーム1
注目ポイントは、設営後の形状と剛性の高さだ。シルエットは、あえて太さの異なるポールを組み合わせて側壁付近が立ち上がり、天井付近に広がりが生まれるように設計。一方で、ポールに沿う本体とフライシートの縫い目に高強度素材を縫い込み、抜群の強さを生み出している。
| 価格 | 71,610円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 1130g |
| 使用サイズ | W205×D90×H100cm |
軽くて安い〟を両立させ懐にやさしい話題作ゼインアーツ/ヤール1
山岳テントに求められる強さを保ちながら、テント本体に極薄の素材を使うなどして軽さを追求。フライシートやフロアの生地はシリコンコーティングで引き裂き強度を高めている。軽さもさることながら手頃な値段でも注目を集め、さらにフットプリントまで付属する。
| 価格 | 37,800円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 860g |
| 使用サイズ | W210×D90×H95cm |
ペアでゆったり、ソロならのびのびキャンプを満喫ビッグアグネス/コッパースプール UL2
2人で使うときの居住性を考えて、後ろ側にも出入り口を配置。トレッキングポールを2本使うと、前室のフライシートを庇のように張り出せる。フライやテント本体は、耐久撥水加工をしなくても分子レベルで高い防水性を備える独自の素材「ハイパービード」で作られている。
| 価格 | 107,800円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 1220g |
| 使用サイズ | W224×D132〜107×H104cm |
ドーム型と一線を画すボックス形状のシルエットに注目MSR/ハバハバLT1
従来のハバハバより左右のハブの位置を高くすることで側壁が一段と垂直に立ち上がり、居住性がアップデート。天井の周辺もメインポールと直交するサブポールのおかげで圧迫感を感じづらい。上半分がメッシュ生地の本体で通気性に優れ、夏の麓のキャンプなどにもおすすめ。
| 価格 | 88,000円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 1070g |
| 使用サイズ | W224×D81×H99cm |
「軽量化優先」の仕様にこだわった3シーズン用プロモンテ/VEL-10 3S
使用時期を3シーズンに限定して徹底的に軽量化。前室が30㎝になっている点以外、使用サイズは同ブランドの4シーズン対応モデルと同様。居住性を保ちながら軽快に行動したい登山者におすすめだ。4シーズン用の山岳テントと比べると強度が劣る点に留意して扱おう。
| 価格 | 61,600円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 895g |
| 使用サイズ | W205×D90×H105cm |
高性能すぎる独自素材が安眠・快眠を約束するニーモ/ホーネットオズモ1P
商品名の「オズモ」は製品に使われている同ブランドの独自素材。従来のナイロン素材と比べると、耐久撥水性能は4倍長持ちし、雨や結露で濡れたときの伸縮性は3分の1まで抑えられ、強度は20%も向上している優れ物。悪天時も雨水の浸入を気にせず安心して夜を過ごせる。
| 価格 | 68,200円(税込) |
|---|---|
| 最小重量 | 822g |
| 使用サイズ | W221×D108〜79×H98cm |
(山と溪谷2025年6月号より転載)
プロフィール
吉澤 英晃
1986年生まれ。群馬県出身。大学の探検サークルで登山と出合い、卒業後、山道具を扱う企業の営業マンとして約7年勤めた後、ライターとして独立。道具にまつわる記事を中心に登山系メディアで活動する。
雑誌『山と溪谷』特集より
1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。
こちらの連載もおすすめ
編集部おすすめ記事

- 道具・装備
- はじめての登山装備
【初心者向け】チェーンスパイクの基礎知識。軽アイゼンとの違いは? 雪山にはどこまで使える?

- 道具・装備
「ただのインナーとは違う」圧倒的な温かさと品質! 冬の低山・雪山で大活躍の最強ベースレイヤー13選

- コースガイド
- 下山メシのよろこび
丹沢・シダンゴ山でのんびり低山歩き。昭和レトロな食堂で「ザクッ、じゅわー」な定食を味わう

- コースガイド
- 読者レポート
初冬の高尾山を独り占め。のんびり低山ハイクを楽しむ

- その他
山仲間にグルメを贈ろう! 2025年のおすすめプレゼント&ギフト5選

- その他