登山アプリでできること7選 読図に役立てよう!【山と溪谷2025年9月号】

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発売中の『山と溪谷』9月号の特集は、「新・登山アプリと読図の基本」。登山アプリでできることは、現在地を地図に表示することだけではありません! 登山計画を立てたり、現在地を他者に伝えたり、記録をまとめて保存したりもできます。出発前から登山中、下山後まで、登山に役立つ機能を紹介します。

文=池田奈津美 写真=花岡 凌 イラスト=坪本幸樹 監修=的場一峰

1 登山計画を立てられる

登山アプリで登山計画を立てる

アプリ地図上のポイントをタップしたり、歩行コースをなぞったりするだけでコースを設定できるなど、アプリが進化して登山計画をつくることがより簡単に。歩行時間を自動で計算して時間割をつくってくれたり、休憩スポットの指定や持ち物リストの作成など、詳 細な登山計画にブラッシュアップできるアプリも。登山計画をメンバーや家族に共有する、登山届として自治体などに提出するなど、情報のやり取りも楽らく。

2 現在地が簡単にわかる

登山アプリで現在地を確認する

携帯電話が圏外になっていても、登山アプリは現在地を示してくれる。これは、登山アプリは携帯電話の電波ではなく、GPS衛星の信号で現在地の情報を得ているからだ。谷間や樹林帯など、衛星の信号を受け取りにくい場所だと多少の誤差が生まれるが、おおよその現在地を知るには充分だろう。現在地を表示するための地図は、事前にアプリ内にダウンロードしておくことが重要。

3 緯度や経度、標高が簡単にわかる

登山アプリで緯度や経度、標高を確認する

携帯電話でGPS衛星の信号を受け取ることで、地図にピンポイントで現在地を示せるため、かなり正確な緯度や経度、標高も知ることができる。もしもの際には救助に役立つ情報だ。日本は「センチメートルの精度」を目標に、準天頂衛星システム(愛称:みちびき)を導入。日本のほぼ真上に衛星を配置し、従来は信号を受け取りにくかった谷間でも安定して精度の高い情報を得られるようになった。日本上空を周回する衛星は現在4機が運用、今後は7機体制へさらに11機体制へと拡大する予定だ。

4 地図を自由に拡大&縮小できる

登山アプリで地図を拡大&縮小

等高線の詳細な形を知りたいとき、分岐の地形を確認したいときなど、紙の地図だと見えにくい細かい情報も、登山アプリの地図を使えば簡単に見られる。画面上で2本の指を広げたり閉じたり(ピンチアウト&ピンチイン)するだけで、地図を一瞬で拡大&縮小できる。一方で、画面のサイズにもよるが、広域をほどよく詳細に確認するのは苦手。紙の地図やパソコンの大きな画面でチェックしておくこと。

5 他者に現在地を伝えられる

登山アプリで他者に現在地を伝える

登山アプリの機能に、現在地を緯度・経度といった座標データなどで他者に送信し、他者が使用するアプリの地図上に表示できる機能がある。今、どこを歩いているのかを他者が把握できる便利な機能だ。ただし、現在地の情報は携帯電話の電波で送信するため、圏外では現在地の情報が更新されないことがある。同じアプリを使っている人がすれ違うことで現在地の情報が互いに共有され、電波のよいところで自動的に送信されるといった仕組みなど、各社で工夫が凝らされている。

6 音声でルート外れを教えてくれる

登山アプリで音声でルートを使用する

一部の登山アプリには、登山計画を立てて歩行コースを設定しておくと、コースから外れてしまったときにアラートや音声ガイダンスで教えてくれるという機能が搭載されている。事前に分岐地点を通知してくれる機能がついていることも。こうした機能は、現在地を地図上で示せるからこその、登山アプリの強みが詰まった機能だと言えるだろう。道迷いを早めに阻止し、遭難のリスクを減らすことができる、登山アプリの最大のメリットかもしれない。

7 山行記録を残したりまとめたりできる

登山アプリで山行記録を残す

登山アプリを使って登山計画を立てておけば、歩行の記録(トラック)や歩行タイム、登山中に撮った写真などを山行記録としてまとめるのも簡単。自分のモチベーションアップやトレーニング、次回の登山計画の参考にするなど、活用方法はさまざま。また、こうした山行記録をアプリ内で公開している人がたくさんいるので、直近の山の情報を探すのにも便利だ。

『山と溪谷』2025年9月号より転載)

プロフィール

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2026年1月号の特集は「美しき日本百名山」。百名山が最も輝く季節の写真とともに、名山たる所以を一挙紹介する。別冊付録は「日本百名山地図帳2026」と「山の便利帳2026」。

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雑誌『山と溪谷』特集より

1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。

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