過去1年間にいちばん購入された登山ウェアはあのアイテム! 登山者のブランドイメージ・購買動向調査、今年も実施中

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山と溪谷オンラインが毎年実施している登山者のブランドイメージ・購買動向調査。今年も9月29日(月)まで、アンケート形式で調査を行っている。約4000人から回答を得た2024年の調査から、登山者の購買動向を見てみよう。

構成=山と溪谷オンライン 写真=PIXTA

ブランドイメージ・購買行動調査とは?

山と溪谷オンラインが毎年実施している登山者のブランドイメージ・購買行動調査。登山者がもっているアウトドアブランドのイメージや、所有している登山道具、購買行動、ニーズなどをオンラインのアンケート形式で調べるこの調査の結果は、個人情報等を除いた上で調査に協賛するアウトドアメーカーに共有し、製品の開発などに役立てられている。

今年は9月29日(月)までアンケートを実施中。総額109万円相当の登山用具が39点が当たるプレゼントつきなので、ぜひご協力を。

ブランドイメージ&購買動向調査 2025

https://www.yamakei-online.com/secure/yolbis2025_top.php

昨年の調査で得られたデータをすこしだけ紹介しよう。2024年は8月26日〜9月24日にアンケート調査を実施し、約3989人(有効サンプル数。男性74%、女性25.2%、その他・無回答0.8%)から回答が寄せられた。そのデータから、最近の登山者の購買動向を見ていきたい。

回答者のプロフィール

性別

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答者の性別グラフ

年代

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答者の年代グラフ

登山歴

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答者の登山歴グラフ

登山頻度

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答者の登山頻度グラフ

過去1年間に新規購入したアイテムは「登山用のズボン」が最多

過去1年間に購入したアイテムについて聞いた項目では、37.4%にあたる1492人が「登山用のズボン」と回答。2位につけた「吸汗速乾等の機能性アンダーウェア」も1477人(37%)とほぼ拮抗しており、3位の「登山用のソックス」1361人(34.1%)と合わせて、いずれも3割以上の回答者が購入したアイテムとなった。4位、5位は「無雪期用の手袋・グローブ」、「サコッシュ/ポーチなど」と小物が続くが、6位には「ザック(30リットル未満)」、7位は「ミッドカットの登山靴、トレッキングシューズ」と登山の必須アイテムが続いた。

この一年間で新たに購入した登山用具は何ですか?

(上位10位)
山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答グラフ

登山用のズボン(ロングパンツ)は登山ウェアのなかでも傷みやすいアイテムで、転倒の際に擦り切れやすいほか、倒木や木の枝、ヤブ、岩などにひっかけたりこすったりして穴を空けてしまった経験をもつ人も多いのではないだろうか。最近では春秋向けの保温性の高い商品や盛夏向けの風通しのよい商品など、異なる機能をもった登山用ズボンが季節ごとに発売されており、買い換えのほかに買い足しをする人も多い。なお、この調査ではアンダーウェアとの混同を避けるため、あえて「パンツ」ではなくクラシックな「ズボン」という表現を採用している。

吸汗速乾などの機能性アンダーウェアも進化がめざましいカテゴリーで、汗処理に優れたアイテム、保温性重視のアイテムなど、新素材の開発により新しい商品が毎年発売されている。また、ニットの製造技術の進化で、縫製箇所をなくしたシームレスタイプのアンダーウェアが増えたほか、従来からファンの多いウール素材なども根強い人気を保っている。この商品カテゴリでは女性の回答が45.5%と男性よりも10ポイント以上多かったのも特徴的だ。この数年でアウトドアブランド各社がより快適な山登りをサポートする女性向けアンダーウェアを次々に発表したこともあり、女性の購買が大きく増えたとみられる。

登山用ソックスは消耗品であり、常に買い替え需要があるアイテムだ。毎年この調査で上位にランクインしている。従来からのウールのソックスを愛用する人が多いが、化学繊維との混紡率の違いや肌面の汗処理機能、編み方を変化させることでズレを防ぐなど、機能面でもバリエーションが多いアイテムでもあり、買い足す人も少なくない。また、低山にはローカット、アルプスにはライトアルパインブーツといったように、多様化する登山靴の使い分けが定着するのに伴い、靴下も異なるタイプを使い分ける傾向があり、これも買い足しの目的の一つになっている。

なお、23年の調査では「登山靴、トレッキングシューズ」(41.0%)が最も多く、次いで「吸汗速乾等の機能性アンダーウェア」(37.9%)、「登山用のズボン」(36.1%)、「登山用のソックス」(34.3%)と続いた。

みんな登山グッズにいくら使ってる?年間5〜8万円が最多

「この一年間で購入した登山用具の費用はどのくらいですか?」という設問では、「5万円以上8万円未満」が750人(18.8%)で最多だった。次に多かったのが「3万円以上5万円未満」の672人(16.8%)、3番目が「10万円以上15万円未満」で544人(13.6%)だった。この項目は前年とほぼ同様で、消費額に関しては大きな変化は見られなかった。

この一年間で購入した登山用具の費用はどのくらいですか?

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答グラフ

買う前の下調べはもはや当たり前。装備や用具の情報源は?

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答グラフ
商品情報のチェックはウェブが最多

購入にあたって商品情報や使用感などを選べる人は多い。登山装備・登山用具の情報の調べ方について聞いた項目では、「登山情報ウェブサイト」が2631人(66%)と最も多かった。まずは店舗に行って商品を見るというのが従来の買い物の定番だったが、「ショップ店頭で」が2175人(54.5%)で2位にとどまり、もはや購入の前にはお目当てのギアについてネットで下調べをするというのが当たり前になりつつあることが見えてくる。3位の「雑誌」は1920人(48.1%)で、紙媒体も根強い人気を得ていることがわかる。続くのは「メーカーのウェブサイトで」1237人(31%)、さらに動画コンテンツの「YouTube」が1111人(27.9%)と続いた。

人から聞くという回答がこれらに続き、6〜8位は「ショップ店員から」「友人・知人から」「SNS」となった。

登山装備・登山用具の情報はどう得ていますか?

(上位10位)
山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答グラフ

環境よりコスパ?環境負荷について

リサイクル素材を使用したウェアも増えている

リサイクル素材の使用やPFCフリーの撥水加工など、今やアウトドアギア・ウェアの製造では環境負荷軽減の取り組みは必須となっている。しかし、ギアやウェアを購入するときに環境負荷をどのくらい意識するか聞いた項目では、47.4%にあたる1890人が「環境に配慮した商品よりも、コストや機能性を重視する」と回答。登山のウェアやギアはときとして自分の命を守ることになるアイテムだけに、環境保全を最優先にはできないという本音が如実に表れた。次いで多かったのが「なるべく環境に配慮した商品を選ぶ」の1061人(26.6%)、「環境に対して特に意識はしない」が987人(24.7%)。自然が豊かだからこそ楽しめる登山だが、こと購買行動に関していえば、環境への意識はさほど高くないという結果となった。

山道具やウェアを購入するにあたり、自然環境への負荷をどの程度、意識しますか?

山と溪谷オンライン「ブランドイメージ&購買動向調査2024」回答グラフ
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登山者アンケート

山と溪谷オンラインで実施した登山者へのさまざまなテーマのアンケートの結果をご紹介。

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