色付き進む大雪山・赤岳の紅葉【紅葉レポート】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

読者レポーターより登山レポをお届けします。みやびさんは大雪山・赤岳(あかだけ、2078m)へ。

文・写真=みやび


今回は標高1490mの銀泉台(ぎんせんだい)登山口から出発し赤岳を往復するルートで、8.5km、累積標高差717mで4時間30分の山行です。

2年ぶりに息子と大雪山へ

久しぶりの息子との登山! 旭岳(あさひだけ)、黒岳(くろだけ)、赤岳の候補のうち、強風の天気予報でも影響の少ない赤岳に登ります。4日前には「色付き始め」の情報があり、少しでも紅葉が見られればいいな~!

層雲峡(そううんきょう)公共駐車場で車中前泊。2時過ぎに車の屋根をバチバチと叩き付ける強い雨と強風で目を覚ます。このところ天気予報が外れているので、しょんぼりと再び眠りにつきました。

朝5時30分に起きると数時間前の悪天候が嘘のように青空が広がっていました! 層雲峡公共駐車場から登山口へ車で移動。国道273号を経て、銀泉台線(道道1162号)の終点に登山口の銀泉台があります。銀泉台線は一部舗装の14.8kmの砂利道で、道幅が狭い所も多いので対向車などに注意して走ります。

彩り美しい銀泉台

森林パトロール銀泉台事務所で登山名簿に記入し、7時出発! 気温は8℃。息子は2年ぶりの大雪山です。

息子と大雪山歩き
久しぶりに息子と大雪山歩き、チラ見えする赤い斜面に期待がふくらむ

序盤は平坦な道を進み、岩がちな登りになり、登山口から30分ほどで見晴台に到着。紅葉で有名な銀泉台は、予想以上に色付いていました! 美しく彩られた斜面を眺め小休止。

銀泉台
予想以上に色付き進む銀泉台、まだまだ美しくなります

少し歩いた第一花園から見下ろした紅葉もオレンジのグラデ-ションが美しく、背後に広がる山々との景色を堪能。今日は赤岳往復だけと決めているので、のんびり歩きます。

第一花園からの見下ろし
第一花園から見下ろすオレンジが美しい

第二花園を緩やかに登ると、奥の平の上にウラジロナナカマドが帯状のオレンジの色付き! 平坦な駒草平に着くと、ウラシマツツジの紅い草もみじが待っていてくれました!

青空を映す「神の田圃」も色付き始め。携帯トイレ小屋を越えると、オレンジ広がる第三雪渓とウラシマツツジの紅い草もみじのコラボの美しい景色! あちこちの彩りを楽しみ、のんびり歩きます。

神の田圃
神の田圃も色付き始めていた
駒草平の携帯トイレ小屋が
駒草平の携帯トイレ小屋がありがたい
第三雪渓のオレンジとウラシマツツジの紅い草もみじ
第三雪渓のオレンジとウラシマツツジの紅い草もみじのコラボが美しい

黄葉のトンネルを抜けると真っ赤なウラジロナナカマド越しに第三雪渓のオレンジの紅葉! 雪渓下部の彩りに目を奪われます。

黄葉トンネル
色付き進む黄葉のトンネルを抜ける
第三雪渓下部の彩り
第三雪渓下部の彩りに目を奪われる

振り返り見る紅葉に励まされ、このコース一番のがんばりどころの岩の登りを、息子も一生懸命進みます。急坂を抜けた平坦地はチングルマの葉が赤く色付き、オレンジの紅葉とともにきれいな彩りが見られました。

第三雪渓をがんばって登る息子
彩りに励まされ第三雪渓をがんばって登る息子
紅いチングルマ
第三雪渓を登り切ると紅いチングルマがお出迎え

最後の第四雪渓を登り赤岳の山頂に到着! 息子は2年ぶり5回目の登頂、のんびり歩きで2時間30分でした。

赤岳の山頂
ここ数年あまり山歩きしていない息子もがんばって登頂!

山頂は予報通りの13mほどの強風。アウターを着込み軽く早めのランチ! 花の沢越しの旭岳、白雲岳(はくうんだけ)や烏帽子岳(えぼしだけ)、その奥の北鎮岳(ほくちんだけ)、凌雲岳(りょううんだけ)、黒岳の雄大な景色をのんびり眺めました。

赤岳山頂左側の景色
山頂左側の景色、左に白雲岳、右に旭岳の雄大な景色
赤岳山頂右側の景色
山頂右側の景色、左から北鎮岳、凌雲岳、烏帽子岳に黒岳が望まれる

白雲岳への縦走の方が多いようでしたが、今日は息子と赤岳のみを満喫のため下山開始。あちこちで休憩しながら、山々が広がる雄大な景色と紅葉を楽しみおしゃべりしながら下りて行きます。

気持ちいい景色
さあ帰ろうか~! 気持ちいい景色が広がる
山々と彩り、美しい景色
山々と彩り、美しい景色を目に焼き付ける
銀泉台の紅葉
帰りの銀泉台の紅葉は日当たりが変わり、より美しかった。数日後にピークを迎えそうです

登りとはまた違う見え方の景色を楽しみ12時55分に無事下山しました。車で層雲峡に戻り、「黒岳の湯」でのんびり汗を流し帰路に着きました。

息子との久しぶりの大雪山は、予想以上に色付きが進んでいました! まだまだ美しくなる赤岳の紅葉。稜線の強風の影響が少ない、気持ちいい青空山行で息子も楽しんでくれました!

今日は日差しが暖かかったですが、稜線では降雪もありえる時期なので、温かな服装、装備でお楽しみください。熊鈴、クマスプレーも忘れずに!

(山行日程=2025年9月10日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間30分
行程:赤岳登山口(銀泉台)・・・駒草平・・・赤岳・・・駒草平・・・赤岳登山口(銀泉台)
総歩行距離:約8,500m
累積標高差:上り 約717m 下り 約717m
コース定数:18
アドバイス:今年の銀泉台線の紅葉時期マイカー規制は土日祝だけのシャトルバス運行です。平日は登り下りの時間規制の交互通行でマイカーで通行可能。高原温泉線は沼めぐりコース閉鎖に伴い、規制はなくシャトルバスの運行もありません。縦走される方はご注意ください。
上川町|令和7年度紅葉期の車両交通規制の変更について

関連リンク

みやび(読者レポーター)

みやび(読者レポーター)

北海道在住。大雪・十勝連峰を中心に北海道の山を日帰りで歩いています。花と景色と下山後の温泉が楽しみ。

この記事に登場する山

北海道 /

赤岳 標高 2,078m

 石狩川を遡り、三国トンネルを抜けて帯広に至る国道273号線から分岐する大雪山観光道路の終点、銀泉台が登山口。この道路は、かつて白雲岳や北海岳を経由して旭岳温泉に至る大雪縦貫道路として計画されたが、反対運動から途中までで中止されたといういわくつきのものだ。しかし1500mまでマイカーで登れるため、登山者の多い山となった。  登り始めからお花畑が続き、高山植物の女王コマクサの姿も見られる。花を見るためのコースとしては大雪山でも屈指の場所であろう。頂上までは約3時間。さらに足を延ばして、白雲岳へ至るのもよい。  山の名がなぜ赤岳なのかは判然としないが、花の赤とも、見事な紅葉からきたとも考えられる。  なお、登山口の銀泉台にはヒュッテがあって宿泊ができたが、現在は閉鎖されている。

プロフィール

山と溪谷オンライン読者レポーター

全国の山と溪谷オンライン読者から選ばれた山好きのレポーター。各地の登山レポやギアレビューを紹介中。

山と溪谷オンライン読者レポート

山と溪谷オンライン読者による、全国各地の登山レポートや、登山道具レビュー。

編集部おすすめ記事