サクッと2時間で登れる岩木山。温泉と山麓を合わせて楽しむ

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ビストロきっちょむ登山隊・興津剛さんによる登山レポート。今回は青森県の岩木山(いわきさん、1624m)へ。

文・写真=興津 剛


みなさん、こんにちは! ビストロきっちょむ温泉隊の興津(おきつ)です。ぼちぼち夏が終わり、秋を感じられるようになってきましたね! 昔は少し夏の終わりって物悲しい雰囲気があったんですが、ここ数年はあまりに夏が暑すぎて、「もういい加減終わってくれていい!」って感じてしまうのは、私だけでしょうか?

サンセットな岩木山
サンセットな岩木山

そんな我々ですが、前回の秋田駒ヶ岳(あきたこまがたけ)に続き、今回も東北遠征! 今度は岩木山に行ってきました! 東北はもううっすらと秋を感じることができました。

岩木山があるのは青森県! あ・お・も・り! マジで遠っ(笑)。もう本当に本州の北の先っちょなので、どんなにがんばっても関東圏からは日帰りが不可能です。でもそんな極地にある岩木山だけど、とびきりの優位性が3つもあります。

今回はそのとびきりの優位性をご紹介しながら、岩木山のレポートをご紹介したいと思います。

嶽温泉
岩木山の麓の嶽温泉

まず優位性その1は、麓の温泉がめちゃくちゃいいってこと! これめっちゃポイント高いでしょ!?

岩木山の麓にある嶽(だけ)温泉。ここには昔ながらの温泉宿が5軒くらいあります。我々は完全にそのものズバリの名前に惹かれて「嶽ホテル」に泊まりました。岩木山に行こう!ってなった時から、絶対に嶽温泉の宿に泊まろう!と私は決めていたほどで、本当に最高なんです。

白濁し硫黄臭強めの温泉
温泉は白濁し硫黄臭強め

こちらがお目当ての温泉! 宿の前で車を降りた瞬間から「わ!」って匂うレベルで、温泉臭が全開です! 私、本当にこういう硫黄の匂いがきついTHE温泉!ってお湯が大好きなんです。ここは日帰りでも入れますので、泊まらなくても、ぜひ温泉だけでも味わって行ってみてください。

マジで臭くて最高!(褒めてますよ!笑)

津軽岩木スカイライン
津軽岩木スカイライン

岩木山の優位性その2は、車で八合目まで行けちゃうっていう、アクセスのよさです。もちろん下から歩いて登るルートもあるけど、やっぱり楽しちゃうよね〜。津軽岩木スカイラインは朝8時開門で、普通車は2000円です。

津軽岩木スカイラインのくねくね
すごいくねくね

津軽岩木スカイラインはもう本当にくねくねがすごすぎます。くねくね道で八合目へ。

くねくね道の八合目
八合目に到着

八合目には立派な建物があって、そこにお手洗いがありました。

お手洗い
お手洗いを済ませたらいざ出発

お手洗いを済ませたら、いざ岩木山へ! 八合目から山頂までは、標高差は400mほどととてもイージーです!

リフト
さらに九合目までリフトもあり

さらに! 岩木山のすごいところは、八合目から九合目へと続くリフトまであるんです。もはやいたせり尽せり。なにも労せず九合目まで行けちゃうんです!

岩岩の道
リフトに乗らないと岩岩の道

リフトに乗らずに八合目から歩いていくと、こんな感じの岩岩の道を登ることになります。

九合目
15分ほどで九合目

15分ほど歩くと、リフトで上がってこられる九合目に到着です。マジで歩いても乗っても、どっちでもいいほどの差です(笑)。

山頂への岩
山頂へはずっと岩岩

九合目からは完全な岩岩な道になります。同じ東北の鳥海山(ちょうかいさん)と似たような雰囲気があります。

山頂までの登山道
山頂まではずっとこんな感じ

ちょっと前にこの道で落石の事故が起きたらしいです。下に岩を落とさないように慎重に登ってくださいね。

九合目まで車とリフトで来れちゃうので、明らかにかなり運動不足で足元フラフラな方も散見されました。

岩の道とリフトの駅
岩岩の道とリフトの駅

登ってきた道を見下ろすと、背後に赤い屋根の避難小屋と、リフトの駅が見えます。

登山者
さすがは百名山、人がたくさん

岩木山は百名山なので、登ってくる人がたくさんで、とってもにぎわっていました。この前日に行った青森駅よりも、よっぽど混んでたな(笑)。これは褒めて……はない(笑)。

山頂
駐車場から1時間とかからずに山頂へ

駐車場を出発して1時間もかからずに、岩木山の山頂に到着! リフトを使ったら45分くらいで来れちゃうと思います! めっちゃイージー!

山頂でメンバーと
山頂でメンバーと

人がはけた隙に全員で記念撮影! この後すぐに学生の団体さんが来て、山頂は大混雑になりました(笑)。

山頂から眺める日本海
山頂からは日本海

山頂から北を見ると日本海! 天気がよかったら北海道まで見えそうだ!

リフト駅側から見た岩木山
リフト駅側から見た岩木山

帰りはのんびりリフト駅の方へ。こっちから見る岩木山は、きれいなトンガリくんでした。

リフトで下山
下りはのんびりとリフトで

下だけリフトを使って下山しました。下りはわずか35分! もう本当にお手軽なのが、岩木山のいいところですね!

「嶽きみ」という名のとうもろこし
最後に優位性3!

岩木山と言ったら「嶽きみ」という名のとうもろこし! これはマジでマストです。シーズンは8月中旬からで、我々が行った9月頭でギリギリセーフでした。ぜひ来年の8月に嶽きみを食べに行ってみてください!

岩木山の優位性、①温泉、②めっちゃお手軽、③嶽きみ。どうでした? もはや我々としては、「山登りのついでに温泉や嶽きみを買った」というよりも「温泉と嶽きみのついでに登山もした!」って言っても過言ではないほどでした(笑)。

温泉、登山、嶽きみで、ワンセットです。サウナ、水風呂、外気浴、と同じですね。めっちゃ心が整いますよ。

いろんな考え方、いろいろな事情がありますが、東北のこういう山は、チャチャチャっとピークハントオンリーだけで終わりだと本当にもったいない!

え!もう終わり?早くない?って彼女や奥さんもがっかりです(なんの話?)。それよりも、その周辺の環境や文化、温泉を満喫して、その一環として「登山もしておく?」的な感じで、ゆる〜く楽しむのがいいと私は思います! 岩木山は遠すぎて泊まりでのんびりとじゃなきゃ行けないのが、逆にいいのかもしれませんね!

ただ注意点が一つだけあって、この温泉に入った後に着た服は、洗濯を3回くらいしないと硫黄臭がとれませんので、そこだけご注意ください(笑)。

(山行日程=2025年9月6日)

MAP&DATA

高低図
最適日数:日帰り
コースタイム: 2時間20分
行程:岩木山頂駅・・・リフト分岐・・・鳳鳴ヒュッテ・・・岩木山・・・鳳鳴ヒュッテ・・・リフト分岐・・・岩木山頂駅
総歩行距離:約2,452m
累積標高差:上り 約418m 下り 約418m
コース定数:

この記事に登場する山

青森県 / 白神山地

岩木山 標高 1,624m

 青森県の最高峰。弘前市に位置し、山容が円錐形であることから津軽富士の別名がある。津軽農民の信仰の山で、ふもとの岩木山神社では毎年旧暦8月1日には「お山参詣」という津軽地方最大の農作祈願祭が行われる。このお山参詣は国の無形重要民俗文化財に指定されている。  独立峰だけに、登山コースは四方からあるが、岩木山神社からの奥宮登拝道が代表的なコースとして昔からよく踏まれてきた。しかし、有料観光自動車道路「津軽岩木スカイライン」の開通以後、徒歩で山頂を極める登山者は減少している。いずれの登山コースも下降時に利用される例が多い。  所要時間は、岩木山神社のある百沢口からの場合、山頂まで約4時間。  途中、標高1067m地点の焼止避難小屋を過ぎて「大沢」に入ると、8月ごろまで上部に雪渓が残っており、景観も高山的だ。1350m地点に錫杖清水がわく。7月上旬には、付近の雪渓の両岸に岩木山特産のミチノクコザクラの群落がピンクの花を咲かせている。錫杖清水から山頂まで数十分。山頂からは、晴天時には北海道松前沖に浮かぶ大島・小島も望まれる。

プロフィール

興津 剛(おきつ・つよし)

静岡県静岡市出身。本業は登山隊の隊長。 副業はフォトグラファー、キャニオニングガイド、WEBデザイナー。2011年より山のHP「ビストロきっちょむ登山隊」を運営。最近では登山ツアーや、ポップアップカフェなど、みんなで「ワハハ!」ってできるイベントを定期的に開催中です。山に行かない日はジョギングと水泳をして、ダイエットに励む日々。今年の目標は、あと2kg痩せたい!

今がいい山、棚からひとつかみ

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