山菜採りのシーズン、登山以上に危険が多いことに留意 島崎三歩の「山岳通信」 第152号
長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年6月28日に配信された第152号では、山菜採り中の遭難が散見される状況に対して、山菜採りは一般的な登山以上に危険の多いことを指摘している。
6月28日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第152号では、6月17日~6月22日に起きた6件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。
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6月17日、下高井郡高山村奥山田地籍の山林内で、山菜採りのために単独で入山した71歳の男性が道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助された。
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6月18日、長野市の戸隠山で、単独で入山した31歳の男性が登山中にバランスを崩して滑落し、負傷する山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助された。
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6月18日、下高井郡木島平地籍の山林内で、山菜採りのために入山した81歳の男性と71歳の女性が道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。2人は県警ヘリで救助された。
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6月19日、北安曇郡小谷村・北アルプス栂池高原付近の山林で、山菜採りのために入山した3名のうちのひとり、63歳の女性が仲間とはぐれ、斜面で滑落し負傷する遭難が発生。女性は県警ヘリで救助された。
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6月20日、須坂市米子地籍の山林内で、仲間2人と共に入山した77歳の男性が、入山中に連絡が取れなくなり、行方不明となる山岳遭難が発生。県警ヘリなどで男性の捜索を行ったところ、6月22日に無事に発見され救助された。
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6月22日、八ヶ岳連峰蓼科山で、58歳の男性が蓼科山から下山中に転倒・負傷する山岳遭難が発生。男性は茅野警察署遭難救助隊および諏訪広域消防隊により救助された。
長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
6月4週は、6件の遭難が発生し、うち4件は山菜採り中の道迷いや滑落等によるものでした。
山菜採りは登山道等のない藪や斜面に分け入って行うため、一般的な登山と比べても道迷いや滑落の危険性が非常に高くなります。山菜採りに入山する際は、以下の点に注意をしてください。
- 入山場所と予定を家族等に伝えておく
- 携帯電話、雨具、ヘッドライト、非常食などを携行する
- 単独での入山は控える
- 急斜面には入り込まない
- 熊などの野生動物に注意する
プロフィール
島崎三歩の「山岳通信」
信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。
島崎三歩の「山岳通信」
長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。