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鮮やかなサザンカ並木のひだまり低山ハイキング。佐賀県・鬼ノ鼻山~聖岳

今がいい山、棚からひとつかみ
ガイド・記録 2019年11月29日

寒い季節には、ぽかぽか低山を歩こう。12月上旬は、サザンカの咲く美しい縦走路が楽しめる佐賀県・鬼ノ鼻山~聖岳へ。

鬼ノ鼻山から鬼の形の展望台を見る。どちらも展望抜群。奥には八幡岳が見える(写真=池田浩伸)

 

南国の九州といっても、12月にもなれば標高の高い山では登山道も凍結し、チェーンスパイクが必要な山域も多くなり、山に行くのもためらいがちになります。そんな季節は、サザンカが咲く展望の縦走路をのんびりひだまりハイキングはいかがでしょう。

聖岳は、修験道に由来の山名で白石平野を一望する展望地にあります。鬼ノ鼻山は、『肥前風土記』にも名前が出るほど古代から知られた山で、鬼が住む山の民話も残っています。

縦走路に咲くサザンカは、ツバキ科の常緑広葉樹ですが、ツバキの花とは違い、花が散るときはひらひらと花びらが地面に落ちます。満開の時期を逃しても、落ちた花びらが赤い絨毯を敷いたように登山道を飾り、また違う美しさがあります。

モデルコース:鬼ノ鼻山~聖岳

行程:
【日帰り】鬼ノ鼻山憩いの森公園・・・鬼の展望台・・・鬼ノ鼻山・・・弁財さんの道分岐・・・聖岳登山口・・・弁財さんの道分岐・・・鬼ノ鼻山憩いの森公園(約3時間)

⇒鬼ノ鼻山・聖岳周辺の地形図を確認

 

鬼の展望台は展望抜群

聖岳と鬼ノ鼻山のどちらからもスタートすることができますが、登山口がわかりやすい鬼ノ鼻山憩いの森公園からスタートしましょう。

50台ほど駐車できる広い駐車場とトイレがあります。四季折々の花が咲く公園には、鬼の顔の形をしたすべり台が目に留まります。丘の上には鬼の展望台が見えています。歩道が左右に分かれますが、どちらを進んでも展望台に着きます。春になると展望台から公園一面のモクレンの白い花を見ることもできます。

展望台からは、北に脊振山地の長い尾根や天山、西には電波塔がある八幡岳、南には、ノコギリのようなギザギザ尾根の多良山地、有明海に浮かぶ雲仙普賢岳、眼下には米どころ白石平野と蛇行する六角川の流れが見渡せます。望遠鏡を持ってくればよかったと毎回悔やむほどの展望です。

鬼の形の展望台。階段を登って頭の部分から展望を楽しむことができる(写真=池田浩伸)

 

展望台の東隣にある山が鬼ノ鼻山です。四等三角点があり展望台と同じく遮るものがない景色が楽しめます。手作りの小さな椅子もあり、お弁当を開いてのんびりしたくなる場所です。

ここからは、山頂と山頂を結んだ緩やかなアップダウンの尾根を行く稜線歩きになります。すぐに、2体の鬼が白石平野を睨んでいる露岩につきます。怖い鬼のイメージではなくこの2体は里を見守る守り神のようです。下り終わると、左からの弁財さんの道が合流します。下山はここから登山口へ戻ります。

縦走路見晴らしの丘には2体の鬼が佐賀平野を見守る(写真=池田浩伸)

 

サザンカ並木の尾根から聖岳へ

ここからは、サザンカの並木道になり赤やピンクのサザンカが両脇を飾ります。メジロが群れて花の間をわたっていきます。

縦走路の防火帯の両脇にはサザンカの並木が続く(写真=池田浩伸)

 

登りきった付近右側に、ひっそりと福寿山弁財天の石碑が祀られています。三角点のある464.6mピークを過ぎ、サザンカの並木が終わる頃大きく右へ曲がり植林の中に入っていきます。一帯はアオキがたくさん自生しています。やがて、「佐賀県の銘木100選」になっているクスの群生林になります。落ちた枝を踏むとツンとしたクス独特の香りが漂ってきそうです。

一旦車道を横断して、コンクリートの急坂を直進すれば聖岳ですが、ここは車道を道なりに不動寺溜池へ下りましょう。途中にトイレもあります。
聖岳登山口には立派な石灯籠があり、山頂には五穀豊穣の守護神である大町弁財天が祀られている参道です。
参道につきものの石段は、792段あります。長い階段に気後れしそうですが、50段ごとに残りの段数が表示され、元気づけられます。

聖岳登山口。山頂からの展望を楽しみに、792段の階段にチャレンジしよう(写真=池田浩伸)

 

山頂はモミジやツツジが植樹され、地名・山名が書かれた方位盤がある展望台もあります。レンガ作り拝殿には大町弁財天が祀られ、横には険しい表情の修験者の像があります。

下山は、コンクリートの急坂を下って先程の車道を横断、弁財さんの道分岐まで往路を戻ります。分岐からすぐに林道に出合い、左へ下ると、鬼ノ鼻山憩いの森公園に到着します。

地元の子どもたちがレンガを運び上げて作られたという聖岳上宮(写真=池田浩伸)

 

日本の山 記録・ルポ ガイド
教えてくれた人

池田浩伸

佐賀県佐賀市在住。8年間NPOで登山ガイドや登山教室講師を務めた後、2019年くじゅうネイチャーガイドクラブに所属し、阿蘇くじゅう国立公園をメインに登山ガイドや自然保護活動を行なう。著書に『九州百名山地図帳』『分県ガイド 佐賀県の山』(山と溪谷社・共著)がある。

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