単独登山のリスクを認識し、慎重な計画と行動を 島崎三歩の「山岳通信」 第184号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年4月8日に配信された第184号では、4月第1週にあった3件の山岳遭難のうち2件が単独での行動中だったことから、改めて単独登山のリスクについて言及している。

 

4月8日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第184号では、4月4日~5日に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 4月4日、八ヶ岳連峰赤岳で、単独で入山した63歳の男性が、下山予定日の4日になっても帰宅せず、行方不明となる事案が発生。5日に県警ヘリで男性を発見し収容しましたものの死亡が確認された。

  • 4月4日、北アルプス唐松岳で、単独で入山した67歳の男性が唐松岳を登頂後にバックカントリーで滑走して下山する予定だったものの帰宅予定時間過ぎても帰宅せず、行方不明となっている。5日から大町警察署山岳遭難救助隊、北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会白馬班救助隊、県警ヘリなどで捜索している。

  • 4月5日、南木曽岳で、仲間4人と入山した42歳の男性が下山中に転倒して足首を負傷する山岳遭難が発生。男性は木曽警察署員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

3月4週は0件、4月1週は3件の山岳遭難の発生がありました。このうち2名の方が死亡または行方不明となっており、いずれも単独です。
単独での登山やバックカントリーは、自身で日程やルートを決められ、自由に行動ができる一方、トラブルが発生した場合には、その判断や対応を一人で行わなければなりません。また、怪我をした場合には、仲間がいれば助け合うこともできますが、単独の場合は、怪我の状態によっては救助を求めることが困難であったり、時間がかかってしまうことがあります。単独登山のリスクを認識し、慎重な計画と行動をお願いします。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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