行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
新穂高温泉駅(07:40)・・・穂高平小屋(08:45)・・・奥穂高岳登山口(09:32)・・・滝谷出合(11:13)・・・槍平小屋(12:18)[休憩 50分]・・・奥丸山分岐(13:55)・・・奥丸山(14:13)[休憩 10分]・・・奥丸山分岐(14:38)・・・槍平小屋(15:12)
【2日目】
槍平小屋(06:09)・・・千丈沢乗越分岐(07:59)・・・中岳(11:28)・・・天狗原稜線分岐(12:54)・・・南岳小屋(13:26)
【3日目】
南岳小屋(06:24)・・・天狗原稜線分岐(06:49)・・・天狗原(08:34)[休憩 15分]・・・天狗原分岐(09:27)・・・水俣乗越分岐(10:13)・・・ババ平(10:39)[休憩 10分]・・・槍沢ロッヂ(11:23)・・・一ノ俣(12:07)・・・横尾(12:57)
【4日目】
横尾(06:00)・・・徳沢(06:50)・・・明神(07:36)[休憩 14分]・・・河童橋(08:34)・・・上高地バスターミナル(08:45)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
北アルプスの大展望と紅葉を期待してのテント泊縦走。秋晴れのもと、新穂高ロープウェイ前から右俣林道を出発する。途中に近道と表示された登山道が現れる。山と高原地図でも太線なのだが、槍平小屋HPに「それほどお勧めは出来ない」と書かれている。初めて来た所でもあり、朝の涼しい樹々の下そのまま林道を進んで行く。直進方向に車止めが見えた所で大きく右折するとまもなく穂高平小屋である。トイレ休憩に都合がよく、この日は売店も営業していた。
奥穂高登山口の標識が現れると林道終点。白出(しらだし)沢を横断して堰堤の脇から登山道に取り付く。チビ沢と呼ばれる短い河原を横切り、滝谷の渡渉では木橋を渡る。ここは増水時には通行不能なので避難小屋が設置されている。陽射しは強くなり傾斜もきつく、しばらく我慢が続く。南沢を越えるとやがて木道が現れ、清流の平原に佇む槍平小屋に到着。
小屋裏の河原に開けたテント場は、石が多くペグは刺さりにくい。水場は流水でそのまま飲用可。トイレは汲み取り式、紙あり。手早くテントを設営し、河原を横切り奥丸山へ向かう。意外に急登が続き、切れ落ちた痩せ尾根は慎重に通過。奥丸山の山頂からは穂高岳の迫力ある岩壁が間近かに見られるのだが、午後になると雲に覆われてしまった。陽がさえぎられると寒く、ガスが取れるのを待っていた先行者ともども、あきらめて下山する。
翌朝は3時頃から人々が動きだし、星空のもと続々と出発していく人々を見送りながら朝食を摂る。きょうは穂先の往復に2時間かかりそうとか。今回は槍ヶ岳には登らないので明るくなるのを待って歩き出す。飛騨沢に沿ってじりじりと標高を上げて行くと、やがて森林限界を越えれば笠ヶ岳から双六岳へと続く稜線が姿を現す。救急箱が置かれた千丈分岐からつづら折れのガレ場を登って行けば、太陽光が当たりはじめた斜面の草黄葉がまぶしい。飛騨乗越で槍の穂先を眺めながらの休憩タイム。
大喰岳~中岳の縦走路はクサリや梯子もあるがそれほどではない。晴天にも恵まれて大展望を満喫しながらの稜線歩きである。中岳から次の南岳まではかなりのアップダウンと距離がある。濃霧でも大丈夫なように頻繁なマーキングがあるというのに、景色に見とれてコースアウトしてしまったという(汗)。
南岳小屋いちおしのトン汁定食をいただき、テントでお昼寝。思ったより広いテント場は、笠ヶ岳方面からの強風を遮る石積みが設けられている。別棟トイレ(紙あり)のきれいさは特筆すべきだろう。待ってる人がいることにも気付かず長居してしまった。ここは水が貴重な立地ゆえ天水が有料で提供されている。
南岳小屋へは東西南北に4つのルートがある。いわずと知れた大キレット、西の槍平から直登する南岳新道、東の槍沢から天狗原経由ルート、そして今回歩いてきた槍ヶ岳からの稜線ルートである。大キレット程ではなくても、天狗原までの間には縦に長いクサリ場と二連梯子を通過せねばならず、ある程度岩稜登山の経験は必要だろう。初夏には雪渓の通過もあり、南岳小屋のブログで登山道状況を発信している。
今年の夏は不順な天候のため紅葉の色付きはいまひとつと言われている。ここへ来てからも色付く前に枯れてゆく葉っぱを多く目にしてきた。遠目には良さそうでもがっかりとなるのか。そんな不安も天狗原に近づくにつれて期待に変わっていく。氷河公園とも呼ばれ、氷河によって形作られたカール状の地形に大小の岩々と高山植物が点在し、あたかもこの世の楽園・浄土の様相を呈している。曇天なのは心残りだったが、色付きは申し分がなかった。軽装の人が多かったのは分岐にデポして来ているのだろう。ザックの重さも忘れるほど(いや忘れないけど)、紅葉最盛期の天狗原を訪れることができた。
最終日はあらかじめ横尾キャンプ場に泊まることにしていた。キャンプサイトは歩道沿いと吊橋の下の2か所あり、トイレ・水場は山荘隣にある。トイレは洋式もあり温便座なのは嬉しかった。とくに指定されている訳ではないが、吊り橋の方はソロや登山者、歩道沿いはファミリーや若者グループと住み分けされているように感じられた。
今年は北岳と南岳に行くことができた。来年は東岳と西岳を目標にしよう。