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北アルプスを縦断しよう その⑤ 【船窪小屋→後立山連峰→唐松岳 編】

七倉~蓮華岳~針ノ木岳~鹿島槍ヶ岳~五竜岳~八方( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 1人 (ピーちゃん さん )

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行程・コース

天候

1日目:曇り時々晴れ 2日目:晴れ 3日目:晴れ 4日目:晴れ後雷雨

利用した登山口

七倉山荘   八方池山荘  

登山口へのアクセス

タクシー
その他: 大町~(タクシー)~七倉

この登山記録の行程

【1日目】
七倉山荘(07:40)・・・船窪小屋[休憩 10分](14:00)・・・七倉岳(14:30)

【2日目】
七倉岳(06:30)・・・北葛岳[休憩 30分](08:50)・・・北葛乗越[休憩 20分](09:30)・・・蓮華岳[休憩 60分](13:00)・・・針ノ木峠(14:10)

【3日目】
針ノ木峠(05:00)・・・針ノ木岳[休憩 20分](06:10)・・・スバリ岳(07:00)・・・赤沢岳[休憩 20分](08:45)・・・新越乗越[休憩 20分](10:40)・・・岩小屋沢岳[休憩 10分](11:40)・・・種池山荘[休憩 20分](13:15)・・・爺ヶ岳南峰[休憩 20分](14:15)・・・赤岩尾根分岐(冷乗越)(15:20)・・・冷池山荘(15:40)

【4日目】
冷池山荘(04:30)・・・布引岳[休憩 20分](05:40)・・・南峰[休憩 10分](06:35)・・・北峰分岐(07:00)・・・鹿島槍ヶ岳北峰[休憩 10分](07:10)・・・北峰分岐(07:30)・・・八峰キレット[休憩 20分](08:40)・・・口ノ沢のコル[休憩 20分](09:30)・・・五竜岳[休憩 20分](14:00)・・・五竜山荘(15:00)

【5日目】
五竜山荘(06:30)・・・最低鞍部[休憩 20分](07:00)・・・唐松岳頂上山荘[休憩 20分](09:25)・・・丸山[休憩 20分](10:20)・・・第三ケルン[休憩 20分](12:30)・・・八方池山荘(13:10)

コース

総距離
約39.0km
累積標高差
上り約5,649m
下り約4,874m
コースタイム
標準35時間25
自己35時間30
倍率1.00

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

7月30日(木) 曇り時々晴れ
 今回は当初5泊6日で七倉から白馬まで縦走する予定でした。テント一式や食料などで、ザックは家から車に移すのも面倒な程、結構な重さです。
 朝5時、恒例になりつつある、信濃大町の松屋で牛丼大盛りの朝食中、May.J の新曲「Sparkle」のプロモーションが流れました。
「♪輝きを信じて 道は遠くても 歩く準備は もう出来ているはずよ(^^♪」
「ちょータイムリー!準備出来てる 出来てる!」と May.J に返事をして、気合を入れ直して登山口に向かいます。(ザックの重さがちょっと憂鬱だったので…)
 昨年、8月2日に「北アルプスを縦断しよう その③」で登り始めた七倉に、約1年ぶりに戻ってきました。出発時刻も昨年とほぼ同じ。七倉尾根の急登を登り始めました。
「鼻付八丁」やっぱりきついですね。重い荷物が肩に食い込みます。
 汗びちゃびちゃで船窪小屋に到着。この小屋のスタッフの皆さんは、テント泊の登山者であっても温かく迎えてくれて、とても心地よいです。
 ビールを購入。テント設営後、例の「日本一危険な水場」で冷やして飲みました。
 この日、船窪のテン場は全部で4張。静かな夜でした。

7月31日(金) 快晴
 露でびちゃびちゃになったテントを撤収し、5:00に出発。ビールの空き缶を戻しに船窪小屋に寄ると、小屋のスタッフの皆さんがラジオ体操を始めるところでした。「一緒にやりましょう」というお誘いを受け、参加しました。澄み切った青空、おいしい空気、さらに剣岳を眺めながらのラジオ体操は「日本一爽快なラジオ体操」でした。船窪小屋の皆さんありがとうございました。
 七倉岳を越えて北葛岳山頂へ。このコースは、夏山ピークの時期なのに、ほとんど人影がありません。北葛岳山頂を独占し、濡れたテントを広げて乾燥させ、バーナーを出してラーメン、ビスケット、コーヒーでちょっと早い昼食にしました。
 ここから、北葛乗越まで約300M標高を下げ、約500M登り返す、「蓮華の大下り」になります。地図上では「大下り」ですが、僕にとっては「大登り」です。人影は相変わらずほとんどなく、大登りはホントに大登りで、10歩登って「はあ、はあ~」でした。ルートも、メジャーな山域に比べると整備されていません。
 蓮華岳の山頂、大きく開けてとても気持ちの良いところです。なぜ100名山入りしていないのか不思議なくらいです。針ノ木小屋までのトレイルもいい感じでした。
 針ノ木小屋でテントの申し込みをして、ビールを購入。テン場の裏に小さな雪渓を見つけて、テント設営中、雪の中に埋めて冷やしておいてから飲みました。とても暑かったので最高の一杯でした。

8月1日(土) 快晴
 今日は今回で一番距離と行動時間が長くなります。3時30分に起きて、5時に出発しました。6時10分に針ノ木岳頂上。剣岳をはじめとして、北アルプスの山々がきれいに見渡せます。スバリ岳~新越乗越は、小さなアップダウンを繰り返しながらの稜線上を進みます。
 最悪の天候だった昨年に比べ、ベストな天候が続いていますが、とにかく暑くて発汗量がハンパではありません。熱中症に注意しながら水分を補給しますが、体内からすぐに蒸発していってしまう感じ。新越山荘で買って飲んだコーラはよく冷えていて最高でした。
 新越山荘から種池山荘までの稜線はとても長く感じました。種池小屋の手前の小さな池で猿の群れに会いました。「ハイマツぼっくり」を食べています。子ザルの様子が面白くてザックを下して、ゆっくり眺めました。
 種池山荘からは一気に人が多くなりました。山荘前のテーブルで、焼き立てのピザと生ビールで乾杯しているグループもいて、何とも羨ましい光景です。生ビールがいつもの10倍以上、光り輝いて見えました。冷池山荘までは、まだ距離があるので、生ビールを視界に入れないようにして、早目に山荘前を出発し爺ヶ岳に登り始めます。
 扇沢~(柏原新道)~爺ヶ岳は、危険個所もなく、ルートがとても整備されているので、僕も70歳でまだ山を歩けたら、「ジジイが爺ヶ岳の頂上で『ジイになったぞ』と叫ぶ」企画などをしてみようかな…などと考えながら、爺ヶ岳の山頂と稜線を歩きました。
 15時40分に冷池山荘につき、テントの申し込みをして、テン場に向かいます。ここは、小屋とテン場が結構離れているので、ビールはお預け。テントを張ってから、また小屋にビールと水を買いに下りました。結構大変です。
 テン場はいっぱいでとても賑わっていました。稜線上の見晴らしのよい所で、この日の夕方に見た、雲海に浮かぶ剣岳に夕陽が落ちていく神秘的な瞬間は、今まで僕が見た夕焼けの中で間違いなく第1位です。

8月2日(日) 快晴後霧
 今日は、八峰キレットを越えて五竜に向かいます。3時半に起きて、景気づけにフリーズドライのちらし寿司で朝食。4時30分に鹿島槍ヶ岳に向けて出発します。
 鹿島槍ヶ岳南峰までは、比較的歩きやすい稜線が続きます。今日もきれいな日の出を眺めながら、6時35分に南峰頂上に着きました。
 南峰から北峰に向けて、一気に岩稜帯の険しいルートに変わります。遠くから見ると、一見穏やかな感じの鹿島槍ヶ岳ですが、南峰~北峰の間は慎重に。
 北峰分岐に重たいザックを置いて、空身で北峰を往復。空身で歩いていると、たとえ急な登りでも羽が生えたように歩けます。
 ここから、いよいよ八峰キレットです。ルートは整備されていますが、大キレットとは違い、足場に小さな浮き石があることが多く、落石をしないように注意が必要です。高度感はそんなにありませんが、ルート上の石の状態を確認しながら、進みます。キレット小屋手前の急な梯子、鎖の登下降が一番注意が必要でしょう。キレット小屋は「よくぞこんな所に…」と感動すら覚えるほど、切り立った尾根上にあります。今日も北アルプスの稜線とは思えない暑さで、コーラを購入。体に浸みわたります。
 五竜岳に向けての稜線も結構な岩稜やガレ場が続きました。G4を過ぎて五竜の頂上に登るガレ場で、上方からつづら折りのルートをわざとショートカットして直線的に降りてくる方が上方にいました。(正しいルートは分かりやすく鎖も設置されていて、その人の同行者らしき方はそちらを通っていた)ガレた急斜面を雑に下って来て身動きが取れなくなってしまったらしく、落石をかなり起こし、石が僕の直前まで落ちてきます。他の落石を誘発する可能性も決して0ではありません。危険でした。
 正しいルートを守り、荒らさないのが山のルールです。

 気分を入れ替えて、五竜岳の頂上に到着。今回の山行で初めてガスにまかれました。北アの遭対協の方がいて、雷の可能性が高いから、早めに下山するように呼びかけてました。
 15時、五竜山荘で受付を済ませてビールを飲み、テントを張りました。心配だった雷もなく、静かに夕食を食べながらこの後の計画を考え、今回は白馬まで行かずに、明日、八方尾根から下山することに決めました。
 理由は
① 明日から天候が崩れる可能性が高い
② 八方尾根を利用した下山だと、次回の入山がラク
③ この4日間の晴天で大量の汗をかいて身体が臭くなり、夜、寝袋の中から異臭が漂ってくるのがたまらない
 の3点です。
 夜中0時頃、急に黒部側から突風が吹き始めました。テントのポールが激しくしなって、テント側面の生地が顔にあたるほどです。一度外に出て、テントのポールを外そうかと思いましたが、「まあ、明日下山だからポール折れちゃってもいっか」と異臭を放つ寝袋にもぐっていました。激しい風は1時間ほど続きました。ホントに山の天気は分かりません。

8月3日(月) 晴れ後雷雨
 ゆっくり朝食を食べて、テントを撤収して6時30分に出発しました。穏やかで開けたトレイルがとてもいい感じです。唐松岳頂上近くの牛首の鎖場を越えると、唐松岳頂上山荘が目前です。9時30分、山荘にザックを置いて、空身で唐松岳山頂を往復し、次回通過する「不帰キレット」の様子を見てきました。なかなか切り立った岩稜です。
 山荘から八方尾根に入ると、すぐに下界の雰囲気になりました。特に第3ケルンを過ぎたあたりからは、観光客の数の方が圧倒的に多く、塩を吹いて、白マダラ模様になった異臭を放つTシャツで歩くのは気が引けます。
 13時10分に八方池山荘に到着し、今回の山行は終了しました。リフトとゴンドラを使って下山しましたが、その速いこと速いこと。どんどん白馬の街並みが近づいて来ます。「アダムちゃん、最高!」とつぶやきながら、山麓に一気に到着しました。
 ゴンドラ駅の更衣室で着替えて、外に出ると、急な雷雨です。下山のタイミングもぴったりでした。
 バスで白馬駅に行き、大糸線で大町まで車を回収しに戻ります。今回は白馬駅のポスターで大糸線の乗車、下車のお作法をしっかりと事前学習することができたので、運転手さんにご迷惑をかけることなく、無事に北大町駅で下車することができました。(それでもやっぱり大糸線に乗るときは緊張します)
 
 
 
 

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え)
ナイフ 修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品
虫除け 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ
ストーブ 燃料

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登った山

五竜岳

五竜岳

2,814m

鹿島槍ヶ岳

鹿島槍ヶ岳

2,889m

爺ヶ岳

爺ヶ岳

2,670m

岩小屋沢岳

岩小屋沢岳

2,630m

鳴沢岳

鳴沢岳

2,641m

赤沢岳

赤沢岳

2,678m

スバリ岳

スバリ岳

2,752m

針ノ木岳

針ノ木岳

2,821m

蓮華岳

蓮華岳

2,799m

北葛岳

北葛岳

2,551m

七倉岳

七倉岳

2,509m

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