登りよりもペース配分を意識すべし! 下りの苦手意識をなくす方法

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POINT
  • 特に下りでは30分に1回の休憩で、集中力を持続させよう
  • 歩幅は小さく、下山道の幅をジグザグに縫うように歩こう
  • 腰の重心は、前に! 腰が引けると転びます
本日のお悩み

下りへの苦手意識を克服したいのですが、トレーニング方法はありませんか?(30代/女性/登山歴1~2年)

転ぶのがこわかったり、脚が痛くなったり・・・「下山時の歩き方」は苦手意識を持っている人、多いですよねえ。そこで今回は、下りの苦手意識をなくすためのコツを3人の山センパイに聞いてみました!

トレーニングを始める前に・・・そもそもペース配分は大丈夫?
特に下りでは30分歩いて5分休憩のペースで歩いてみよう

山センパイ陶山さん(山の会かたつむり)に聞いてみたところ、トレーニングよりも歩くペースに問題があるのではないかというアドバイスをもらいました。特に下りでは「"30分歩いて5分休む"を繰り返すペースを意識すると、緊張感が持続するので疲れにくいですよ」とのこと。下りはコースタイムやペース配分への意識が下りに比べて低くなりがちなので、短い時間で休憩を入れるのは良いかもしれません。下りは「歩幅を小さく」「道をジグザグ下る」が鉄則。

下りは「歩幅を小さく」「道をジグザグ下る」が鉄則
ストックを使ってバランスを取るのも◎

ペース配分がわかったところで、次は実際の歩き方! 歩き方は、どの山センパイも「歩幅を小さく」という意見。  山センパイの若山さん(K9-SAR 岳の会)いわく「歩幅を小さくすることで、重心移動による脚への負担を減らすことができます」とのこと。確かに、歩幅を小さくすればズルっと滑って転ぶ・・・ということは無くなりそうです。 また、下机さんによると、足の置き方にもポイントがあるそう。「斜面をまっすぐ下るのではなく、足を斜面に対して横に置いて、ジグザグを切るように歩くのも下りやすくする工夫ですよ」とのこと。 そしてストックはまさに「転ばぬ先の杖」。膝への負担を減らすだけでなく、転ばないようにバランスを取るためにもおすすめのアイテムです。

盛岡山友会の下机さんによれば、恐怖心も転倒の原因らしく「滑ったり転んだりすることがこわくて腰を引いてしまうと、重心が後ろに下がりより滑りやすくなります。腰の重心を意識しましょう」とのこと。

ペース配分や足の置き方を意識するだけで、下りの苦手意識はだいぶ克服できるはず。普段階段や坂道を歩く時に意識してみましょう!

プロフィール

陶山 正(山の会かたつむり)

「春夏秋冬野に山に!」がモットーの60代。登山歴は35年。山とスキーが好きで、夏は低山から高山まで幅広く楽しみ、冬は山スキーと雪崩講習に勤しんでいる。お気に入りの山は、西上州の笠丸山、大菩薩山稜の小金沢連峰~雁ガ腹摺山。得意分野は、地図読み、高山植物、雪崩対策など。

⇒陶山さんが所属する、「山の会かたつむり(東京都勤労者山岳連盟)」の講習会などイベント情報

若山 望(K9-SAR 岳の会)

高校時代に山岳部へ入部、山登りを基礎から学んだ登山歴50年の大ベテラン。若いころはバリエーションルートを含む単独行も多くこなし、一歩間違えは死... というようなケガをしたことも。中学の頃から気象に興味をもち、「ラジオ天気図」を登山に役立て、それらが高じて気象予報士の資格も取得。

下机 勉(盛岡山友会)

山に行く時に楽しみにしていることは「仲間との交流」という60代。仲間と笑い語らうべく、日々「山ごはん研究」に勤しんでいる。岩手県在住で、好きな山は早池峰山。「積雪期の早池峰山は、泳ぐようなラッセルが楽しめますよ!」とのこと。

⇒「盛岡山友会(岩手県勤労者山岳連盟)」の講習会などイベント情報

登山のお悩み・解決します

「下り坂が苦手」「読図のコツをつかみたい」など、登山に関するお悩みを、山のセンパイたちが相談に乗り、解決方法を指南します。

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