茨城県・袋田の滝、月居山で晩秋の紅葉を楽しむ

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茨城県の名瀑・袋田の滝。周辺にはハイキングコースが整備されています。11月中旬、シーズン最後の紅葉狩りに月居山へ。

日本三名瀑のひとつに数えられる茨城県・袋田の滝は紅葉の時期も美しい観光地です。しかし、袋田の滝から奥久慈男体山へと続く縦走路にある月居山(つきおれさん)で見事な紅葉が見られることはあまり知られていません。紅葉の最終盤の輝きを求めて、秋深く静かな尾根道に足を踏み入れました。

袋田の滝周辺の紅葉はすでに終盤

モデルコース:袋田駐車場~袋田の滝~月居山~鍋転山~月居山登山口~袋田駐車場

コースタイム:約4時間

⇒月居山周辺の地図を見る

冬の訪れが早く、紅葉はすでに低山でもピークを過ぎようとしているようです。町営袋田駐車場より出発し、袋田の滝見物の遊歩道に向かいます、袋田の滝周辺も紅葉の最盛期は去り、観光客もまばらで葉を落とした木立が寒々しい初冬の風景を見せていました。すでに早朝の気温は零度、滝のしぶきが手すりに凍り付いているほどでした。

袋田の滝の上流にある生瀬の滝

袋田の四段の滝を見下ろす月居山へは、吊り橋から始まる遊歩道がつけられています。生瀬滝への分岐から月居山をめざします。遊歩道とはいえ、いきなり1000段以上の石階段が連続する、なかなか手応えある登りで、一気に標高404mの山頂へと達しています。さすがに観光気分ではおいそれと足を運ぶ気にはなりません。

袋田の滝から月居山へは長い階段の遊歩道が続く

月居山には、月居観音や月居城址などの名所・旧跡もあり、ハイキング道が整備されています。周辺の山々は、すでに紅葉の最盛期を過ぎているようです。ところが頂上に出ると、月居山南面には、思いがけず、イロハモミジの燃えさかるような紅葉に彩られた木々が燦々と輝いていました。見事な赤に圧倒されて、しばし夢中で、シャッターを切っていました。

月居山山頂から南面にはイロハモミジの紅葉が最盛期をむかえていた

さらに頂上からは、月居城址から奥久慈男体山への縦走路が続き、低山ながらアップダウンのある変化に富んだ行程を楽しむことができます。鍋転山の第一展望台まで足を延ばしました。帰路は月居山登山口から七曲がりを経て駐車場に戻りました。逆コースは袋田の滝からの急階段が下りになるので比較的楽です。(取材日=2017年11月25日)

 

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

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