栃木県那須塩原スッカン沢で青みがかった氷瀑群のみごとな氷の造形を楽しむ

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無雪期には新緑や紅葉が美しいスッカン沢。厳冬期には美しい氷瀑が連なる雪と氷の回廊となります。

岩壁には鋭い大つららが放射状に連なる

 

栃木県北部に位置する那須塩原。スッカン沢では、沢沿いの遊歩道を歩き、雄飛の滝を始め、複数の滝を巡ることができます。1月~2月には、氷瀑を鑑賞することができますが、冬季は県道の一部が通行止めになるため、「山の駅たかはら」から入山します。

 

モデルコース:山の駅たかはら~雄飛の滝(往復)

コースタイム:約4時間

⇒スッカン沢周辺の登山地図を見る

この日は冬型気圧配置の影響で、どの山域も稜線上は大荒れの様相。そこで思いついたのが、風の影響が少なく、かつ低気温で発達しているであろう美しい氷瀑群のスッカン沢です。

麓は晴れ間も出ていましたが、出発点の「山の駅たかはら」に向かう途中から風も強くなり、吹雪の様相でした。いつもと違って、登山口からはまず下りです。新雪が30cmほどありましたが、いくつかの先行パーティーもいるようで、すでにトレースができていたので、スノーシューは使用せず、ずっとアイゼンで歩きました。
樹林帯から渓谷へ下りていくと、予想通り、風はなく、時折、落雪なのか、雪煙が吹き込む程度でした。昼ごろには晴れ間も見えるようになりました。

雪の白と水の青の色合いが美しいスッカン沢の流れ

氷瀑群は期待通り、大つららが鋭く放射状に連なる滝や、クラゲ状に発達した氷の造形など、迫力充分でした。すでに落下した氷柱の残骸も見受けられ、不用意に近づくことは危険です。雄飛の滝からは、長い林道歩きで戻ることもできますが、雪が深いと苦労します。この日は林道には上がらず、もと来た道を戻りました。

クラゲ状に発達した氷の塔が見事に立ち並ぶ

 

※積雪期の山は、雪の状態や天候によって、難易度、コースタイムが大きく変わります。計画時には必ず出発前後の天候やエスケープルート、山小屋などの避難できる場所を確認しておきましょう。

関連リンク

塩原温泉ビジターセンター http://www.siobara.or.jp/vc/

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

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