お土産には房総名物の「玉子巻き」もどうぞ。道の駅「富楽里とみやま」でオリジナルお惣菜定食

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下山後に味わいたい粋なごはんを紹介するライター西野淑子さんの「下山メシのよろこび」。今回は、都内から高速バスで2時間弱、登山口最寄りのハイウェイオアシス富楽里でご当地グルメをいただく。


4月末、房総の山に出向いた。

房総のマッターホルン・伊予ヶ岳と、三浦半島の山を歩くと山容がよく目立つ富山。短時間のハイキング…と思ったら案外に登りごたえがあった。どちらも山頂からの眺めはすばらしい。緑豊かな山を登って、海が間近に見えるのは、房総の山の魅力だ。


高速バス&レンタサイクルで房総ハイキング

伊予ヶ岳南峰からの景色。道の駅からレンタサイクルを利用して
伊予ヶ岳&富山の登山も可能(ひろかつさんの登山記録より)
伊予ヶ岳南峰からの景色。道の駅からレンタサイクルを
利用して伊予ヶ岳&富山の登山も可能
ひろかつさんの登山記録より)

 

今回はアクセスに高速バスを利用した。都内からバスで2時間弱、登山口最寄りのハイウェイオアシス富楽里に到着する。一般道からアクセスすると「道の駅 富楽里とみやま」でもある。下山後はここで食事をしようと決めていた。

2階建ての建物の1階は房総半島の農産物、海産物、土産物が豊富に揃う直売・物産コーナー、2階は軽食コーナーと海鮮料理の食堂、インフォメーションコーナーがある。


道の駅 富楽里とみやま「青倉の惣菜」

同県南房総市市部に店舗を構える「青倉の惣菜」の分店。さんが焼き専門店だ
同県南房総市市部に店舗を構える
「青倉の惣菜」の分店。さんが焼き専門店だ

軽食コーナーは4つの店舗が並ぶフードコートになっているが、ひときわ存在感を放っているのが右端に位置する青倉商店。千葉県産の食材にこだわった手作り惣菜の店で、「青倉の惣菜」の木の看板が目を引く。この店の名物が「伏姫さんが焼き」。さんが焼きとは、アジやイサキなどの魚を味噌と合わせて細かくたたいた房総半島の郷土料理「なめろう」を焼いたものだ。

店頭には、伏姫さんが焼きをはじめ、鯨メンチ、アジフライなどさまざまな手作りのお惣菜やお弁当が並んでいて、どれもおいしそう。テイクアウトだけでなく、買ったお惣菜をその場で味わうこともできる。白飯と汁物、小鉢などがついた「ご飯セット」に、伏姫さんが焼きと鯨メンチを追加して、オリジナル定食が完成。

伏姫さんが焼きと鯨メンチを主食した筆者オリジナル定食

「今日の汁ものはイワシのつみれ汁です。鯨メンチはソースでなくお醤油をかけるのがおすすめです」とお店の人に声をかけてもらった。日当たりがよく風が気持ちいい屋外のテラス席でいただくことにした。

2階にあるテラス席。天気の良い日はぜひ利用したい

まず伏姫さんが焼きを一口。噛むほどに魚と味噌の風味が広がる。鯨メンチはみっしり詰まった鯨肉が味わい深い。たしかにこれはソースでもいいけど醤油のほうが合うかもしれない。どちらもご飯がいい感じに進む。イワシのつみれ汁はふんわりと磯の香り。どの料理も味付けは控えめ、素材の風味が感じられる。家庭料理のやさしい味が体に、心に染み込むようだ。

伏姫さんが焼き(右)と鯨メンチ(左)

イワシのつみれ汁

普段あまり行かない山域を訪れたら、地元の郷土料理、そこでしか味わえない食文化に出合いたいと思っている。実際には余裕なく山を歩いて下山後もすぐに帰らなくては…ということが多々あるけれど、こうやって山の余韻を味わいながら食事ができるのは楽しい。

いい感じにお腹が一杯になり、帰りのバスを待ちながら1階の直売所へ。

「房総名物」の看板にひかれて買ってしまった「玉子巻き」。海苔ではなく玉子を使った太巻きを、お土産に買って帰ったのだった。

自宅でいただいた「玉子巻き」。これまた美味

道の駅 富楽里とみやま

南房総の特産品やグルメを満喫できるスポットで、高速道路と一般道路のどちらからでも利用できるハイウェイオアシスでもある。1階の直売・物産コーナーでは海産物、農産物などが豊富に揃う。

住所:千葉県南房総市二部1900 Google Map
電話:0470-57-2601
HP:http://furari.awa.or.jp/
※新型コロナウイルス感染予防対策の関係で、休業あるいは営業時間・形態等に変更がある場合があります。ホームページより最新情報をご確認のうえ、お出かけください。

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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