『焚き火道具の本』特別付録のミニ鉄板「GRILL TABLET mini」は “登山で鉄板料理”のハードルを下げるのか!?

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ますます盛り上がりをみせるキャンプブーム。ファミリーやグループキャンプだけでなく、最近はソロキャンプも人気で、ソロ用に設計されたコンパクトな焚き火台やテーブルなどのバリエーションがどんどん増えている。小さな鉄板が雑誌の付録でついたり、100円ショップで販売されるようになったりと、“ミニ鉄板”ブームともいえる今日この頃だが、弊社からもミニ鉄板つきのムック『焚き火道具の本』が5月11日に発売された。そこで改めて、ミニ鉄板とはどんなモノなのか? 実用性はあるのか? 登山でも使えるのか? などの疑問を、山と溪谷社編集担当のH氏にぶつけてみた。

写真=矢島慎一、山と溪谷社

焚き火道具の本』付録「GRILL TABLET mini」で肉を焼く!の図

 

ミニ鉄板流行のきっかけはメスティンブームから!

―― 『焚き火道具の本』のミニ鉄板付録は、そもそもどんなきかっけでつくることになったのですか?

担当H:ズバリ、“カナモノ”の付録がつく本は売れるから・・・というホンネはさておき(笑)、やっぱりメスティンの大ブームがきっかけですね。4〜5年前から登山でもメスティンを使う人が増えてきて、2018〜19年に『メスティンレシピ』、『メスティン自動レシピ』という書籍を刊行、2020年11月には、『メスティンBOOK』というムックを出して、メスティンブームにのって3作とも大ヒットしました。『メスティンBOOK』には、トランギア社のメスティン(小サイズ)にぴったり収まる木製のまな板を付録でつけたのですが、そのサイズ感がコンパクトでかわいらしくて、このサイズで鉄板をつくりたいなと。

左より『メスティンBOOK』(メスティン専用まな板つき)、『メスティンレシピ』、
メスティン自動レシピ』(すべて小社刊)


『メスティンBOOK』付録の
メスティン専用まな板。サイズは155㎜×85㎜。
トランギア社のメスティン(小サイズ)に
ぴったりはまる


―― メスティンありきのスタートだった?

担当H:そうですね。メスティン(小)に入るサイズが絶対条件で、その条件をもとに、アウトドアブランドのmuraco(ムラコ)と詳細の検討に入りました。muracoは埼玉県狭山市を拠点に、機能性とデザイン性をあわせ持つギアを送り出すアウトドアブランド。そのmuracoから2020年秋に「GRILL TABLET」というiPadサイズの焚き火用鉄板が発売されたのですが、そのミニ版という位置付けの鉄板をつくったら面白いんじゃないかと。そういうやりとりをしながら、muracoのデザイナーさんに設計図を引いてもらいました。

iPadサイズの「GRILL TABLET」(左)と「GRILL TABLET mini」を並べると、こんなサイズ感。
ハンドル用の穴のサイズはどちらも同じで、
「GRILL TABLET」に付属するステンレス製ハンドルがそのまま使える

 

シンプルデザインのミニ鉄板に込められたこだわりポイントとは?

―― 「GRILL TABLET mini」のデザインでとくにこだわったポイントは?

担当H:「GRILL TABLET」は窒化処理された黒い鉄板に、muracoのロゴと「GRILL TABLET」という文字がレーザー刻印された、とてもスタイリッシュな仕上がりです。そのイメージをできるだけ忠実に再現したかったので、鉄板は黒色で、ロゴと文字を「GRILL TABLET」同様、レーザー刻印しています。サイズはタテ150㎜×ヨコ80㎜で、iPhone11くらいの大きさに決まり、トランギアのメスティン(小)に余裕で入ります。ハンドル用の穴は「GRILL TABLET」とまったく同じサイズで、「GRILL TABLET」に付属するステンレス製ハンドルがそのまま使える。スプーンやフォークを刺して、ひっかけることもできます。あと、鉄板の表面にはフッ素加工を施して、シーズニング処理なしですぐに使えて、汚れを落としやすいのも特徴です。

GRILL TABLET miniのサイズは150㎜×80㎜。
前述『メスティンBOOK』付録のまな板よりも小ぶりで、メスティン(小)にぴったりはまるサイズ


ハンドルのかわりに
フォークやスプーンをひっかけられる。
市販のクッカー用ハンドルや
リフターなどでつかんでもOK


フッ素加工を施してあるので、
シーズニングなしですぐに使えて、
こげつきにくにので汚れを落としやすいのも特徴

 

使い方が限定されそうなミニ鉄板だけど・・・。見た目以上にいろいろできます!

―― 現物を見るとさすがに小ぶりですが、実用性ってどうなんでしょう?

担当H:自分もミニ鉄板に対する最初のイメージは、ホントにこれ使えるの? という感じでしたが、世に出回っているミニ鉄板を入手して実際に使ってみたり、この「GRILL TABLET mini」でいろいろ調理をしてみて思ったのですが、“意外と使える”という印象です。もちろん、これ1枚で複数人ぶんの料理を作るのは難しいけど、ソロという条件なら、厚切り肉を焼いたり、ベーコンやアスパラを炒めたり、コンビニおにぎりや惣菜を焼いたり、工夫次第でいろいろ使えると思います。オトナのおままごとというか、小さい鉄板で、ちまちまと料理やおつまみを作るのがじつに楽しい! できあがった料理も、ミニ盆栽を愛でる気持ちに近いというか、いとおしく感じるんですよねぇ・・・。

ミニサイズながら厚みが3㎜あるので、
蓄熱性が高く、厚切り肉もしっかり焼ける


GRILL TABLET miniは
小さく切った食材との相性がいいので、
ベーコン&アスパラ炒めは試してほしいメニューのひとつ


ギョーザなどのコンビニ惣菜を炒めてもよし。
手っ取り早く調理できて、おいしさもアップ!
コンビニおにぎりよりも小ぶりな
冷凍焼きおにぎりをGRILL TABLET miniにオン。
サイズ感もぴったりだ

 

GRILL TABLET miniを使って、実際に料理した動画はコチラ


―― 焚き火やキャンプだけでなく、「GRILL TABLET mini」は登山や自転車、バイクのツーリングで使っても楽しそうですね?

担当H:自分はもともと登山やトレイルランが好きで、装備類もできるだけ軽量化して、絞っていきたい派です。それが登山装備の基本的な考え方だと思いますが、「GRILL TABLET mini」はメスティンのなかに固形燃料やアルコールストーブと一緒にスタッキングできるし、フライパンやクッカーへの収まりもいい。鉄板で食材を焼いたり、炒めたりする料理は、完全にキャンプのイメージが強く、わざわざ重たい鉄板を山に持っていく理由もなく、あえて山で鉄板料理をしようと思う人は少なかったはず。でも「GRILL TABLET mini」があれば、これまでハードルが高かった、山で鉄板を使った焼き料理が無理なくできるのかな、と思います。

あと、自転車やバイクのツーリングでもぜひ使ってほしいですね! 旅先で買った食材をキャンプ場で焼きながらお酒を飲んだりして・・・最高です。


アルコールストーブを使う装備例。
固形燃料を使う場合は、燃料ボトルが省けるので、
よりコンパクトになる


シングルストーブを使う装備例。
アルコールストーブや固形燃料と違い、
ミニ焚き火台が不要なぶん、
コンパクトにまとまる


まな板・GRILL TABLET mini・
アルミハンドル・カトラリー・
アルコールストーブまたはシングルストーブの
収納例。
どちらのパターンでもメスティン(小)に
すっきり収納できる


―― 問題は重量?

担当H:鉄板の厚さが3㎜あるので、ミニサイズながら重量260gとズッシリしています。そのぶん蓄熱性が高いので、食材がしっかり焼けるというメリットも。重量は確かにハンデになるけど、おにぎり2〜3個分だと思えば、まあ慣れの問題かなと・・・。ソロハイクで使うのが前提ですが、例えば仲間と登山に行って、おもむろに鉄板を取り出して、アスパラ&ベーコン炒めをパパッとつくってふるまうと、めちゃくちゃウケそうだし、盛り上がる。それから、インスタグラムの写真映えもよし。実用性はもちろんありますが、そんなネタ用グッズとして使うのもアリですね!

最後におまけ情報。
トランギア社のメスティン(小)を運搬するケースとして個人的にオススメしたいのが、
100均チェーン「セリア」のランチバッグ。
まさにジャストサイズで、上部に少し空間ができるので、薄い食材や保冷剤などを詰めることもできる

 

『焚き火道具の本』

著者:山と溪谷社編
発売日:2021年5月11日
価格:1,650円
体裁:A4変形判80ページ
ISBNコード:9784635907422

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