普段から運動を習慣化し、体調を整えて入山を 島崎三歩の「山岳通信」 第230号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年8月4日に配信された第230号では、登山中の体調不良により起こる遭難事故について指摘。普段から運動を習慣化し、体調を整えて登山当日を迎えるよう呼びかけている。

 

8月4日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第230号では、期間中に起きた6件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 7月27日、中央アルプス木曽駒ヶ岳で、家族4人で入山した9歳の女児が、木曽駒ヶ岳を登山中に体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。駒ヶ根警察署員等が出動して、女児を救助した。

  • 7月28日、八ヶ岳連峰の赤岳で、26日から31人パーティで入山していた16歳の女性が、付近の山小屋に滞在中に体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。茅野警察署山岳遭難救助隊員及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して、女性を救助した。

  • 7月29日、南佐久郡の御座山で、単独で入山していた71歳の男性が、下山中に滑落して行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して、男性を救助した。

御座山の遭難現場の様子/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)8月3日付
 
  • 7月29日、北アルプス蝶ヶ岳で、2人パーティで入山した56歳の女性が、蝶ヶ岳に向けて登山中にバランスを崩し、滑落して行動不能となる山岳遭難が発生。安曇野警察署山岳遭難救助隊員が出動して、女性を救助した。

  • 7月31日、北アルプス奥穂高岳で、3人パーティで入山した58歳の男性が、南稜を登攀中に落石により負傷して行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して、同行者と共に遭難者を救助した。

  • 7月31日、北アルプス奥穂高岳で、上記遭難者と同行していた57歳の男性と44歳の男性が、技量不足により行動不能となり、上記遭難者とともに救助した。

北アルプス奥穂高岳の遭難現場の様子/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)8月3日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

7月5週は、6件の遭難が発生しました。うち2件は登山中の体調不良でした。安全に登山を楽しむためには、事前の体調管理や準備が大切です。特にこの時期は、暑さのため普段の生活で「夏バテ」になってしまい、睡眠不足や食欲不振になりがちです。そのような状態で入山すると、行動中に体調不良や疲労により動けなくなってしまう場合があります。普段から運動を習慣化し、体調を整えて登山当日を迎えましょう。

また、標高の低い市街地で生活されている方で、登山経験の浅い方は、登山中の高山病の発症にご注意ください。頭痛や吐き気などの症状が現れたら、症状が深刻化して行動ができなくなる前に下山をし、できるだけ標高を下げましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(7月21日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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