県内全域で積雪が増加。深雪のリスクを知り、十分な準備を 島崎三歩の「山岳通信」 第252号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年2月16日に配信された第252号では、県内全域で積雪があり、山岳地域には多くの積雪がある状況を説明。深雪のリスクについて注意を呼びかけている。

 

2月16日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第252号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月7日、中央アルプスの浄土乗越で、単独で入山した25歳の男性が、八丁坂を登山中に装備不足により乗越浄土付近で行動不能となる山岳遭難が発生。駒ヶ根警察署員が出動して男性を救助した。

  • 2月8日、八ヶ岳連峰の天狗岳で、単独で入山した62歳の男性が天狗岳から下山中、黒百合平付近で体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して男性を救助した。

八ヶ岳・黒百合平付近での遭難現場/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)2月14日付

  • 2月13日、北アルプス後立山連峰の五竜岳で、2月12日から2人パーティで入山した38歳の女性が、五竜岳から下山中に山頂付近でスリップし滑落・負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して女性を救助した。

北アルプス五竜岳山頂付近での遭難現場/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)2月14日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

2月2週は3件の山岳遭難が発生しました。県内は北部だけでなく中信や南信地方でも雪が降る、いわゆる「上雪」になり、山間部だけでなく、平野部でも降雪がありました。標高が高い山域では積雪量が増加し、稜線や尾根では、雪庇が出ている箇所があるため、通過には十分な注意や技術が必要です。
また、登山ルートでは積雪が非常に深いため、トレース(踏み跡)から一たび外れると、自己脱出が困難になる場合があります。なお、今後の気温上昇によっては、雪崩や雪庇崩壊などのリスクが高まるため、登山だけでなく、バックカントリーエリアに入山する方も、必ず雪崩対策装備(ビーコン・プローブ・ショベル)を携行するとともに、気象情報を必ず確認し、悪天候の場合には、入山の延期か中止をしましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(2月7日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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