融雪が進む県内の山岳地帯、雪崩に巻き込まれない・起こさない行動を! 島崎三歩の「山岳通信」 第255号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年3月17日に配信された第255号では、晴天の日が続いて融雪が進んでいる状況を説明。雪崩の危険性が高まっているため、巻き込まれない・起こさない行動と準備を促している。

 

3月17日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第255号では、期間中に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 3月7日、北アルプスの霞沢岳で、3人パーティで入山した53歳の女性が霞沢岳から西尾根を下山中に滑落する山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して女性を救助したものの死亡が確認された。

  • 3月12日、黒姫山で、2人パーティで入山した59歳の女性が佐渡山(黒姫山西側の山)に入山し、大ダルミ付近を下山中に疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して女性を救助した。

  • 3月12日、北アルプスの遠見尾根で、バックカントリー滑走のため2人パーティで入山した41歳の女性が、滑走中に雪崩に巻き込まれて負傷した。

  • 3月12日、八ヶ岳連峰の美濃戸北沢で、2人パーティで入山した50歳および42歳の女性が、アイスクライミング中に氷壁の崩落により負傷して行動不能となる山岳遭難が発生。茅野警察署山岳遭難救助隊員及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動し2名の女性を救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

3月2週は4件の山岳遭難が発生しました。県内は気温が高く、晴天の日が続いたため、融雪が進んでいます。標高が高い山域では、積雪が非常に多い状態にあるため、雪崩の危険性が一層高まっています。雪崩は自然発生するだけでなく、スキーやスノーボードの滑走により、自身や仲間が誘発する場合もあります。入山の際には、天候や積雪状況を下調べするとともに、雪崩対策装備(ビーコン・プローブ・ショベル)を必ず携行し、装備品の取り扱い要領についても習熟しておきましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(2月7日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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