浅間山外輪山、鋸岳・仙人岳・蛇骨岳・黒斑山 カラマツの黄葉きらめく浅間山外輪山を周回
浅間山の裾野に広がる高原が、黄金色に輝くカラマツの黄葉で埋め尽くされる季節がやってきました。浅間山の外輪山をぐるりと周回して絶景を堪能します。

秋雨前線の停滞するはっきりしない天候の中、貴重な晴れ間の1日を期待して、車坂峠登山口より黒斑山から続く浅間山の外輪山を巡る周回コースへ行ってきました。

気温は低く、一面霜がついた登山道をトーミの頭へと登ります。曇り空でしたが見通しはよく、ピークをむかえたカラマツの黄葉が埋め尽くす火口原と浅間山を一望することができます。

絶景を堪能しながら草付きの急斜面を湯ノ平へ下降していきます。湯ノ平口から前掛山登山口へ向かいます。

浅間山の噴火警戒レベルは、1(活火山に留意)に引き下げられており、前掛山まで立ち入ることが可能となっていました。平日ながら天狗温泉浅間山荘より前掛山をめざす大勢の登山者の列が続いています。反対側は黒斑山、蛇骨岳、鋸岳と続く外輪山の列が並ぶ壮観な風景が広がります。


時間に余裕があったので、前掛山への登山道をしばらく登りました。黄葉まっさかりのカラマツ林がまばらになり、火山特有の砂礫の道を途中まで上って引き返します。賽ノ河原から急傾斜のガレ場が続くJバンドをへて鋸岳に向かう道に入ると、登山者はほとんどいなくなります。ガスも上がってきて浅間山を覆い隠すこともしばしばです。

急登の岩稜地帯を登り、鋸岳に登ると岩稜の続くやせた尾根となり、仙人岳をめざして岩尾根を進みます。

ようやく蛇骨岳に到達するところで、雲の切れ間より待望の光がさすようになり、雄大な浅間山と黄金に輝くカラマツの黄葉が広がる火口原を照らしだします。待ちに待った瞬間です。まさにいつまでも眺めていたい、そんな気にさせる絶景でした。幾度も振り返りながら、黒斑山へ向かうなかで、やがてガスにおおわれていきましたが、余韻の残る満足のいく山行となりました。(取材日=2018年10月16日)

プロフィール
奥谷晶
30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。
今がいい山、棚からひとつかみ
山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。
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