日に日に冷え込みが厳しくなる県内の山。降雪・凍結対策を行って入山を 島崎三歩の「山岳通信」 第284号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年11月2日に配信された第284号では、県内の山間部では降雪し、平野部でも氷が張った地域も出てきている現状を説明。日に日に冷え込みが厳しくなり、日没時刻も早くなっている状況に対応した準備を促している。

 

11月2日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第284号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月27日、飯田市の万仏山で、登山道整備のために単独で入山した67歳の男性が、整備中に倒木により負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して男性を救助した。

万仏山での遭難救助現場の状況/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)10月31日付
 
  • 10月29日、南アルプスの甲斐駒ヶ岳で、単独で入山した45歳の男性が、甲斐駒ヶ岳から北沢峠に下山途中に浮石でバランスを崩して転倒し、負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して男性を救助した。

甲斐駒ヶ岳での遭難救助現場の状況/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)10月31日付
 
  • 10月30日、上田市別所温泉地籍の山林内で、きのこ採りのために6人パーティで入山した77歳の男性が、足を滑らせて滑落する遭難が発生。上田地域広域連合消防本部員が出動して男性を救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月5週は、3件の遭難が発生しました。

県内は、日に日に冷え込みが厳しくなり、山間部では降雪があったほか、平野部でも氷が張った地域もあります。各地では紅葉の見頃を迎えていますが、里山でも風雨にさらされると、低体温症のリスクが高まります。また、日没時刻も非常に早くなり、樹林帯の中では更に暗くなるのが早まります。「ちょっと紅葉狩りに行こうかな」というような観光の延長で入山すると、思わぬ遭難やトラブルに遭う可能性があります。
山(自然)は美しくも過酷な場所です。十分な下調べと装備品の準備を行い、自身や仲間の技量に見合った計画を立て、無理のない行動をしましょう。

北アルプス等の山域では、11月上旬にかけて多くの山小屋が今シーズンの営業を終了します。「登山に行ったら営業していなかった。」「水場がない。」ということにならないように、事前に山小屋の営業期間等を確認しましょう。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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