春の訪れを感じに… 駅近の春の花と新緑の名低山5選

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4月。暖かさを感じる日がだんだんと多くなり、いよいよ春になる。山肌の雪が解けると、次に山を彩るのは可憐な花たちや新緑の葉。今回は、関東近郊で、春を感じられる低山を5つ紹介しよう。

文=石丸哲也

万葉集に詠われ、カタクリなどの山野草が群生する里山
三毳山(みかもやま)

栃木県/229m
JR両毛線岩舟駅~万葉自然公園かたくりの里〜三毳山~三毳神社奥社~岩舟駅/日帰り 4時間5分

万葉自然公園には関東一と名高いカタクリの群生地が広がる
万葉自然公園には関東一と名高いカタクリの群生地が広がる

標高200mをわずかに越える程度の里山だが、平野に囲まれて優美な山容が目を惹く。山のほぼ全体が自然公園として保全されて山野草が豊富。とくに関東一というカタクリがみごとで人気が高い。JR両毛線岩舟(りょうもうせんいわふね)駅から周回するが、両毛線・東武日光線栃木駅から岩舟駅、とちぎ花センター前経由、道の駅みかも行きの栃木市コミュニティバスが1日4便運行。

岩舟駅から三毳山へのコースはとくに決まっていないが、両毛線に沿うように歩き、万葉(まんよう)自然公園かたくりの里から登るとよいだろう。帰りは南へ尾根道をたどり、とちぎ花センター経由で岩舟駅へ戻ろう。

県道67号から案内板に従って、かたくりの里管理センターを経て万葉自然公園かたくりの里に入る。広々としたカタクリの群生地の斜面を登り、三毳山山頂に着けば赤城山(あかぎさん)などを眺められる。雑木林の尾根道を南下し、車道が通る三毳の関跡の鞍部、中岳と縦走し、三毳神社奥社からひと下りして車道の遊歩道を東へ道なりに下る。野草の園を見て、「とちぎ花センター」からは静かな里道を歩いて岩舟駅へ戻る。

三毳山頂からの西側の眺め
三毳山頂からの西側の眺め
花畑ではアズマイチゲなども見られる
花畑ではアズマイチゲなども見られる

MAP&DATA

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おすすめのスポット

北麓にある佐野市の万葉自然公園かたくりの里は関東一、200万株が生育するというカタクリの群生地で花期は例年3月下旬〜4月初めの1週間ほど。4月半ばごろはニリンソウ、GWごろはヤマツツジなどがみごと。みかも山公園の野草の園でもカタクリなどを見られ、東側に「とちぎ花センター」の温室、地産品の直売所などがある。

駅周辺情報

岩舟駅北側にそびえる断崖は岩船石の切り出し跡。基部の「岩船山クリフステージ」付近は特撮番組の撮影にも利用される。岩舟駅東側の「岩舟石の資料館」には石切の資料が展示されている(見学は要確認)。駅付近は商店がないが、三毳山北東麓の交差点にコンビニあり。

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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

登山の達人が教える関東近郊名低山

都市圏から、日帰りで楽しめる低山は数多く存在する。登山ガイドや山岳ライターなど、山を歩き尽くしている登山の達人が、関東近郊の名低山を紹介する。

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