春の訪れを感じに… 駅近の春の花と新緑の名低山5選

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4月。暖かさを感じる日がだんだんと多くなり、いよいよ春になる。山肌の雪が解けると、次に山を彩るのは可憐な花たちや新緑の葉。今回は、関東近郊で、春を感じられる低山を5つ紹介しよう。

文=石丸哲也

幻の野草に会える、楽しいミニ縦走コース
神成山(かんなりやま)

群馬県/328m
上信電鉄神農原駅~宮崎公園~神成山〜上信電鉄南蛇井駅/日帰り 2時間20分

吾妻山から南面、稲含山方面の展望
吾妻山から南面、稲含山方面の展望

岩と藪山の宝庫、西上州の入口にある丘陵の総称が神成山。最高点でも標高328m、起終点の駅は200m前後で標高差100mに過ぎないが、神成九連峰、富岡アルプスとも呼ばれるように小ピークの縦走は適度に歩きごたえがあり、展望も随所で開けて楽しい。例年、3月下旬前後に稀少な野草のオキナグサ、ミツバツツジが見頃となり、桜が咲き始める。4月半ば〜GWには新緑にヤマツツジが映える。オキナグサは実となり、名前の由来となった長い毛が生えてくる。

神農原(かのはら)駅から駐車場がある宮崎公園を通り、富岡市立西中学校の北側を回りこんで雑木林の山道に入る。よく整備され、歩きやすい尾根道を進むと、三角点がある龍王山(りゅうおうざん)で展望が開ける。ミツバツツジが咲く尾根道をたどる。第8ピークの次の吾妻山(あづまさん)が最後のピークで、神成山の最高地点でもある。展望を楽しんで15分ほどの下れば里に出て、オキナグサが見られる南蛇井(なんじゃい)駅をめざす。

南蛇井駅へ向かう途中で神成山を振り返る
南蛇井駅へ向かう途中で神成山を振り返る
3月下旬はミツバツツジが、4月にはヤマツツジが見ごろ
3月下旬はミツバツツジが、4月にはヤマツツジが見頃

MAP&DATA

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おすすめのスポット

神成山のオキナグサは地元の篤志家が保護、育成したもの。南蛇井駅構内線路沿いの群生の規模は愛宕(あたご)山下を上回るが、線路内には立ち入らないこと。南側の山裾を縫う「かんなり郷道」沿いにある古代蓮の里では約5000株という大賀蓮(おおがはす)が7月上旬〜中旬、見頃となり、春はオキナグサも見られる。

駅周辺情報

神農原駅、南蛇井駅とも周辺にコンビニはない。神農原駅付近には食品店があるので、行動食が必要な場合は逆コースとするか、高崎駅などでの乗りかえ時に購入を。

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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

登山の達人が教える関東近郊名低山

都市圏から、日帰りで楽しめる低山は数多く存在する。登山ガイドや山岳ライターなど、山を歩き尽くしている登山の達人が、関東近郊の名低山を紹介する。

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