積雪期は行動中にこまめに現在地を確認するようにしよう。 島崎三歩の「山岳通信」 第101号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年1月23日に配信された第101号では、1月4日~13日に起きた4件の遭難事例について触れ、積雪期の山の注意点について注意喚起を行っている。

 

1月25日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第101号では、1月4日~13日に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 1月4日、北アルプス焼岳で、57歳と女性と36歳の男性が、焼岳から中の湯に向けて下山中に焼岳下堀沢付近で道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

北アルプス焼岳における遭難現場の状況(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)1月10日付)

 

  • 1月7日、長野県飯田市内松川右岸の山中で、61歳の男性が山中を散策中、何らかの原因により滑落し負傷した。

  • 1月8日、北安曇郡白馬村神城のスキー場で、ロシア人女性3人(17歳、17歳、16歳)がスノーボードでスキー場からエリア外に出て山中を滑走中に道に迷う遭難が発生。その後、自力下山したところを捜索中の警察官が発見し、無事を確認した。

  • 1月13日、志賀高原横手山スキー場で、63歳の男性がスキー場のエリア外を滑走中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。翌14日、県警ヘリにより発見・救助された。

志賀高原横手山における遭難現場の状況(写真提供:長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)1月18日付)

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

1月1週は4件の遭難が発生し、そのうち道迷いの遭難が2件発生しています。1月2週はスキー場のエリア外での遭難が1件発生しました。
冬山は積雪により登山道や標識が埋もれている場合が多く、また吹雪により視界が失われたりするため、無雪期の山よりも道迷いのリスクが高くなります。特に山中を滑るバックカントリースキー、スノーボードは滑走に夢中になるあまり、登り返しの分岐点を見過ごしたり、コースとなる尾根や沢を入り間違えたりして道迷いとなるケースが多く見受けられます。入山前に仲間全員でコース全体の地形や方角などを把握し、行動中はこまめに現在地を確認するようにしてください。

 

長野県警からのお知らせ

県警としては、一般の登山者の皆さんにも遭難現場の実態を知っていただきたいと考えています。そこでこの1月から、本当の救助活動の様子を動画にして、YouTube で配信します。実際の救助の様子、そして遭難が発生すれば隊員も危険を冒して活動していること、見てもらえればきっとわかると思います。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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