日没後の行動やアクシデントに備えて計画を行い装備品の準備を 島崎三歩の「山岳通信」 第322号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2023年11月9日に配信された第322号では、期間中に起きた遭難がいずれも日没による道迷いが原因だったことを説明。事前の下調べと必要な装備品の携行の重要性を説いている。

 

11月9日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第322号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月31日、川上村の高登谷山で、単独で入山した75歳の男性が、山頂から下山中に日没となり、装備不足によって行動不能となる山岳遭難が発生。男性は無事に救助された。

  • 11月2日、八ヶ岳連峰の高見石で、単独で入山した72歳の男性が、白駒池から高見石付近を登山中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。男性は翌日、自力で下山し、無事に救出された。

 

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

11月1週は、装備不足と道迷いによる2件の山岳遭難が発生しました。
いずれも、装備や地図などを携行していれば遭難を防げた事案でした。道迷い遭難は、携帯電話の予備バッテリーを携行していなかったため、連絡が一切取れなくなってしまいました。たとえ里山であっても、日没後の行動やアクシデントに備えて、携帯電話の予備バッテリー、ヘッドランプ、防寒着、ビバークセット(非常食・飲料など)を必ず携行してください。

各地の里山では、紅葉が一層深まり見頃を迎えていますが、ルート上は落ち葉で登山道が不明瞭になっているほか、滑りやすくもなっています。「ちょっと紅葉を見に行こうかな」というような観光気分の延長で入山すると、思わぬ遭難やトラブルに遭う可能性がありますので、事前に下調べをし、必要な装備品を携行して入山をお願いします。

北アルプスなどの山域では、多くの山小屋が先週末で今シーズンの営業を終了しています。「山小屋に行ったら営業していなかった」ということにならないよう、事前に確認しましょう。この時期のアルプスは、積雪があり、冬山の技術、体力、経験などが求められますので、慎重な計画と行動をしましょう。

県内では、クマによる負傷事案も発生しています。登山やきのこ採りに行く際には、鈴やラジオなどを携行し、クマとの遭遇を避けるとともに、早い時間帯に下山するよう心掛けましょう。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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