抜群の使いやすさ! 最新型ヘッドランプ ペツル/アクティック コア|高橋庄太郎の山MONO語りVol.105

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山岳・アウトドアライター、高橋庄太郎さんが、最新山道具を使ってレポートする連載。さまざまな角度からアウトドアグッズを確認し、その使用感と特徴を余すことなくレポート! 今回のアイテムは、ペツルの「アクティック コア」です。

文・写真=高橋庄太郎


2023年の冬至は12月22日。東京を例にとれば日の出から日の入りまでの時間は約9時間45分しかなく、残り時間のほとんどは真っ暗である。山では明るい時間の行動が基本だが、ヘッドランプがあれば薄暗い時間帯にも歩くことができ、万が一のトラブルのときも安心だ。

まずは特徴を確認

今回取り上げるのは、ペツルの最新型ヘッドランプ「アクティック コア」である。

その特徴をひとくちにいえば“ベーシックでいて高機能”となるだろう。

重量は88g、明るさは最大600ルーメン。実測のサイズは横6.6×縦3.6×厚み3.3cmと、まさに手のひらサイズだ。

今回はサンプルを借りてテストをしたために本来ならば付属しているポーチがないのだが、このポーチをアクティック コアにかぶせれば、簡易的なランタンになるそうである。

バッテリーボックスは本体の裏側にある。

この開け閉めは少々固いが、これは不意に開くことがないようにとの配慮で、内部の防水性を高めるためでもあるようだ。

以下はバッテリーボックスを開いたときの状態。オレンジ色の部分は柔らかな樹脂でできたパッキンで、これにより水の侵入を防いでいる。

なお、耐水性能は「あらゆる方向からの飛沫による影響がない」というレベルを意味するIPX4。水中に長時間放置していれば、いずれ浸水はしてくるが、暴風雨のなかで行動することはまったく問題ない。いわば全天候型だ。

アクティック コアには同社のリチャージャブルバッテリー「コア」が付属している。このバッテリーはマイクロUSB Type-Bの端子を差し込んで充電するタイプで、容量は1250mAh。フル充電までにかかるタイムは約3時間30分である。

そして、このコアの大きさは単4電池3本を横並びにしたのと同じだ。

つまり、コアを使い切った際には、単4アルカリ電池が代わりに使える。近年はバッテリーが本体と一体化され、バッテリーが切れると本体ごと接続して充電しなければならないタイプも多い。山中ではモバイルバッテリーなどで対応するしかなく、充電中は使用できなかったり、充電しながら無理に使うしかなかったりと、長時間使うとさまざまな支障が出てくる。だが、アクティック コアのように電池が併用できればバッテリーの残量をあまり気にしないで使うことができ、気楽である。

ただし、バッテリーボックスを開けてバッテリーが変えられるということは、バッテリーを内蔵した一体型よりも防水性は低くなることを意味している。また、構造が複雑になるため、重量もわずかながら増える。このあたりは些細なデメリットかもしれない。

ところで、「アクティック コア」には、姉妹モデルの「アクティック」がある。だが、じつはこの2モデル、本体の機能はほとんど同じなのだ。これらの違いはずばり“バッテリーが付属しているか、付属していないか”。アクティック コアにはその名の通り、コアが付属し、アクティックには付属していないのである。

両者の価格差は税込み4,180円(アクティック コア12,540円、アクティック8,360円)だが、コアを単体で別に買い求めると4,950円。つまり、コアをセットにしてリーズナブルな価格にしてあるのがアクティック コアで、コアを省くことで価格自体を低くしたのがアクティックなのである。

アクティック コアの本体は、ヘッドバンドに取り付けられたプレートと連動し、自由に角度を変えられる。これはペツルのアクティブシリーズおよびクラシックシリーズのヘッドランプと共通の仕様だ。

上に並んだ3枚の写真のうち、いちばん左はライトが真横に向いており、真ん中は斜め45度くらいで、いちばん右は真下に向いている。

これは一例だ。実際にはアクティック コアの本体はぐるぐると360度、自由に動き、角度を自在に変えられる。

他社の一般的なヘッドランプは90度程度しか角度を変えられないのだから、非常に自由度が高い。

ヘッドバンドは肌触りが滑らかで伸縮力も高く、頭部へのなじみもいい。汗も吸収しやすい素材なので、長時間使ってもべたつくようなこともない。

テストの際には歩くスピードが上がってしまい、頭を大きく揺らして歩くこともあったが、バックルで調整したバンドの力で頭からずれにくくフィット感は上々であった。

光の調整は、上部の台形のボタンを押すだけだ。

このボタンやパッキンに使われているオレンジの素材にはほどよい硬さと弾力性がある。ライト部分を額縁のように覆う四角のオレンジの部分も同様で、ライトを傷つけないようにバンパーのような役割を果たしている。

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プロフィール

高橋 庄太郎

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学』(peacs)ほか著書多数。
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