ひと手間で身近な長期保存食・レトルト食品が大変身/登山×防災お役立ちレシピ③

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温めるだけで、あるいはそのまま食べられるレトルト食品も、ひと手間かければ心も体もあたたまる一品に生まれ変わります。

文・写真=芳須 勲・芳須思帆

保存食品は缶詰からレトルトへ

おいしくて、長期保存も可能なレトルト食品。かつて保存食品は缶詰が主流でしたが、レトルト食品の市場は年々拡大しています。カレーなどの定番商品も進化しており、常温で固まらない油脂を使用し、温めなくてもおいしく食べられる商品もあるので、備蓄しておけばガスストーブが使えない状況にも対応できます。さらにひと手間かければ、自慢の一品に早変わりします。

レトルトvs缶詰、便利なのはどちら?

  • 軽量、コンパクトに持ち運べる・・・レトルトの勝ち!
  • 使用後のごみがかさばらない……レトルトの勝ち!
  • 湯煎が可能、鍋が汚れない……レトルトの勝ち!
  • 保存期間が長い……缶詰の勝ち!
  • カレー、シチュー以外にも種類が豊富……缶詰の勝ち!

【レシピ①】
1泊までの登山、発災直後に「山の即席ラザニア」

材料(2人分)

  • ミートソース … 1袋(2人前260g使用)
A
  • 乾燥マッシュポテト … 1カップ
  • バター … 10g
  • 塩・こしょう … 少々
  • 牛乳 … 400ml
  • 餃子の皮 … 20枚
  • ピザ用チーズ … 2/3カップ

調理手順

  1. Aを深めの皿などに入れておき、沸騰直前まで温めた牛乳を少しずつ注ぎながら、滑らかになるまでかき混ぜる(→ホワイトソースになる)
  2. フライパン(20cmのものを使用)に餃子の皮を5枚並べ、ホワイトソースを半量入れて、餃子の皮5枚を再度重ね、ミートソース半量をまんべんなく塗り広げる。これをもう一度繰り返して4層にする
  3. ピザ用チーズを乗せて中火にかけ、ふつふつとしてきたら蓋をして弱火で15分ほど加熱する

1泊までの登山、発災直後に「山の即席ラザニア」

【レシピ②】
長期縦走や長引く罹災生活に「カレー豆乳スープ」

材料(2人分)

  • レトルトカレー … 1パック
  • 無調整豆乳 … 200ml
  • ミックスビーンズ … 1袋(50g入り)
  • レトルトささみ … 1袋(40g入り)
  • 塩・こしょう … 適量

調理手順

  1. すべての食材を鍋に入れて中火にかける
  2. ふつふつとしてきたら弱火にして、全体が温まるまで加熱する(焦げつきや豆乳の分離を防ぐため、沸騰させすぎないこと)
  3. 塩・こしょうで味を整える

長期縦走や長引く罹災生活に「カレー豆乳スープ」


常温保存できないパウチ食品にご用心

レトルト食品は、空気と光を通さないフィルムで食品を密封した後に加圧加熱殺菌したもので、長期間の常温保存が可能です。同じようにパウチ加工された商品でも、熱に弱い栄養素や、食品の風味を守るために、あえて加圧加熱殺菌を行なっていないものもあります。これらには要冷蔵のマークがついているので、常温での備蓄は避けましょう。

要冷蔵パウチ

『山と溪谷』2019年8月号より転載)

プロフィール

shiho & ヤッホー!!さん

登山ガイドのヤッホー!!さんこと芳須勲さんと、アウトドア料理研究家のshihoこと思帆さんは、ともに管理栄養士の資格をもつ夫婦ユニット。2人の子どもと一緒にキャンプを楽しみながら、食べておいしく、カラダにうれしい山ごはん・焚き火料理・アウトドア料理のレシピを発信している。

登山×防災 お役立ちレシピ

登山技術は災害時にも活用できます。家に常備している食材を登山で活用して、災害時にも役立つレパートリーを増やしましょう。

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