日本人の主食・お米は、保存性に優れた食材/登山×防災お役立ちレシピ②

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普段の食材を山や災害時に活用できれば、これほど心強いことはありません。第2回は日本の主食・お米をご紹介します。

文・写真=芳須 勲・芳須思帆

どこの家でも常備される日本の主食をうまく使おう!

登山や防災にはアルファ化米やパックご飯といったイメージが強いかもしれませんが、食べておいしいのは、やはり、お米から炊いたアツアツのご飯です。お米は保存性が高く、コツさえつかめば野外でも簡単に調理できます。疲れているのは体だけではありません、炊き立てのご飯を食べて、心にもエネルギーをチャージしましょう。

野外でおいしく炊飯するポイント

  • しっかり浸水させれば、芯飯になりにくい
  • 調味料を入れて炊くと、吹きこぼれが少ない
  • 標高が高く、寒い場所で炊くのは避ける
  • 蒸らしを行なえば、ふっくらした仕上がりに
  • ストーブは安定した弱火を維持できるものを

【レシピ①】
1泊までの登山、発災直後に「きのことベーコンのミルクリゾット」

材料(2人分)

  • 無洗米…1合
A
  • 水 … 500ml
  • 固形コンソメ … 1個
  • スキムミルク … 大さじ4
  • ベーコン … 50g
  • きのこ(しめじや舞茸など) … 100g
  • バター … 10g
  • 粉チーズ … 大さじ4
  • 塩 … 適量
  • こしょう … 適量
  • 乾燥パセリ … 適量

調理手順

  1. ベーコンは食べやすい大きさに切り、きのこは石突きをとってほぐす。フライパンを中火で熱してバターを入れ、ベーコンときのこを炒める
  2. 米も加え、全体的に透き通ってくるまでしっかりと炒める
  3. Aを入れて、かき混ぜる。沸騰したら火を弱めて、蓋をして途中数回かき混ぜながら、芯が少し残る状態まで15分程度煮る
  4. 水分を少し残した状態で火を止め、粉チーズを混ぜる。味が足りなければ塩を加え、器に盛り付けたら黒こしょう・乾燥パセリをふる

1泊までの登山、発災直後に「きのことベーコンのミルクリゾット」

【レシピ②】
長期縦走や長引く罹災生活に「ピーナツおこわ風炊き込みご飯」

材料(2人分)

  • 無洗米 … 1合
  • 水 … 230ml
A
  • スライス餅 … 2〜3枚
  • ピーナツ … 30g
  • スライス干し椎茸 … 7枚
  • 桜エビ … 大さじ2
B
  • 酒 … 大さじ1
  • しょうゆ … 大さじ1
  • 塩 … 小さじ1/3
  • ごま油 … 大さじ1

調理手順

  1. 230mlの水に30分以上浸しておいた米を水ごと鍋に入れ、Bを加えたら軽くかき混ぜ、Aを上に乗せる
  2. 蓋をして中火〜強火にかけ、沸騰してきたら弱火にして約15分加熱する
  3. 香ばしい匂いがしてきたら火を止めて、鍋ごと手ぬぐいなどにくるみ保温。10分蒸らす

長期縦走や長引く罹災生活に「ピーナツおこわ風炊き込みご飯」


「登山」と「備蓄」を組み合わせて、ローリングストックで無駄なく消費しよう

非常食の備蓄は「気づかないうちに賞味期限切れ」という危険があります。これを防ぐためには、普段から使っている缶詰や乾物といった保存性の高い食材をやや多めに備蓄しておき、使用したぶんだけ買い足す備蓄法(ローリングストック)がおすすめです。山ごはんで使用すれば、野外料理の練習にもなり、一石二鳥です。

『山と溪谷』2019年7月号より転載)

プロフィール

shiho & ヤッホー!!さん

登山ガイドのヤッホー!!さんこと芳須勲さんと、アウトドア料理研究家のshihoこと思帆さんは、ともに管理栄養士の資格をもつ夫婦ユニット。2人の子どもと一緒にキャンプを楽しみながら、食べておいしく、カラダにうれしい山ごはん・焚き火料理・アウトドア料理のレシピを発信している。

登山×防災 お役立ちレシピ

登山技術は災害時にも活用できます。家に常備している食材を登山で活用して、災害時にも役立つレパートリーを増やしましょう。

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