西日本の名山が錦繍に染まる。中国・四国エリアの紅葉名山【紅葉コースガイド2025】
日本海からの冷たく湿った風が豪雪を降らせる影響で中国山地では低緯度のわりにブナをはじめとした紅葉する木々が生い茂り山々を染める。四国の紅葉名山といえば、西日本最高峰の石鎚山。雄々しい岩稜が色とりどりに色づくのは圧巻の一言だ。
文・写真=梶山正(西赤石山・東赤石山、白髪岳・松尾山、石鎚山、三瓶山、扇ノ山)、加藤芳樹(大山)
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但馬富士の岩上から、紅葉した山々を見渡す 白髪岳(しらがだけ)・松尾山(まつおやま)
兵庫県/722m、685m
紅葉の見頃 10月下旬〜11月中旬
丹波篠山の白髪岳は秀麗な山容から丹波富士とも呼ばれる。隣の松尾山には、戦国時代の山城跡と飛鳥時代に法道(ほうどう)仙人が開基した高仙寺跡がある。二山を周回するコースを紹介しよう。
古市(ふるいち)駅から町中を西に進んで、白髪岳の山容を見ながら天神川沿いの車道を歩く。三叉路分岐で左折して、住山登山口から山に入る。尾根へ上がると右手に松尾山が見える。岩稜をいくつか越えて、二等三角点の白髪岳山頂に立つと三六○度の展望が開ける。
続いて松尾山へ続く稜線を歩く。鍵掛ノ辻(かぎかけのつじ)から登り詰めると、広く平坦な森に囲まれた松尾山山頂だ。かつてここに山城があったが、明智光秀の丹波攻めで落城した。中腹にある高仙寺もこのとき消失した。高仙寺山とも呼ばれる松尾山は、千年杉や仙ノ岩、僧の墓碑が並ぶ卵塔群など見所が多い。紅葉は山の各所に分散した雑木林で見られる。三叉路分岐から古市駅までの帰路は、往路と同じだ。
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プロフィール
梶山 正(かじやま・ただし)
写真家、フォトライター。著書に「ポケット図鑑日本アルプスの高山植物(家の光協会)」『山と高原地図「京都北山」』(昭文社)、『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(山と溪谷社)、『ベニシアと正3京都大原・二人の愛と夢の記録』(風土社)など。
加藤芳樹(かとう・よしき)
関西の山に精通する編集者。現在は『岳人』の編集に携わる。著書に『県別登山ガイド 兵庫県の山』『関西周辺週末の山登りベストコース123』(山と溪谷社)など、編・共著多数。日本山岳会会員、環境省自然公園指導員。
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