京都の紅葉ハイキングコースガイド5選。京都・大原に暮らす写真家、梶山正さんに聞きました

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京都は神社仏閣の印象を多くの人が持っているが、京都盆地の周りには山が多い。京都市内で町中からも近い、比叡山(ひえいざん、848m)と魚谷山(いおだにやま、816m)の雑木林の紅葉や、市内から遠いが美しいブナの森を歩ける高山(たかやま、702m)など、山の表情は豊か。京都・大原に暮らす写真家の梶山正さんに、京都の紅葉の山のコースを聞きました。

文・写真=梶山 正

目次

京都府最大級の美しいブナ林 高山(たかやま)

702m
 11月上旬〜中旬

東谷ブナ林コース
鮮やかな黄色に染まった、東谷ブナ林コースのブナ純林帯を下る

天橋立(あまのはしだて)から6キロ北西に位置する高山は、丹後(たんご)半島の最高峰である。この山の一帯は丹後上世屋内山(たんごかみせやうちやま)京都府自然環境保全地域に指定されており、近畿地方ではかなり低い標高、450mからブナ林が分布する。京都府内最大級の約40haの広さを持つブナ林は、京都の自然二百選にもなっている。山頂近くで見られる内山の大ブナは推定樹齢350年、幹周3.65mに樹高23mもある府内最大のブナであり、京丹後市指定天然記念物である。

内山の大ブナ
内山の大ブナは京都府最大とはいえ、途中で幹が二分するのであまり大きく感じられない

登山口の内山には、かつて16戸の農家があったが、今は廃村となっている。そこに建つ無料休憩所のブナハウス内山では、トイレも利用できる。

ブナハウス内山
高山にある内山ブナ林歩きの起点となる、ログハウスのブナハウス内山

ここを起点にまず稜線上の駒倉峠に登ろう。一帯はカエデやナラのカラフルな紅葉が見られる。高山をめざして稜線上の道を進むと、だんだんブナの数が増えていく。展望のいい高山山頂で一息入れたら、内山の大ブナを見て、東谷ブナ林コースの尾根道を下る。

ブナ純林が、起点のブナハウス内山のすぐそばまでずっと続いている。筆者がこれまで訪れた京都府のブナ林の中では、群を抜く美しさであった。

ブナハウス内山
駒倉峠付近は、ブナだけでなくカエデやナラが多いので、多彩な紅葉が見られる
ブナハウス内山
展望がいい高山山頂は丹後半島最高峰なのに、地形図に山名が載ってないのが残念

MAP&DATA

高山コースマップ
地図は「ヤマタイム」山岳地図データベースより二次利用して作成
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム:3時間55分
行程:小町公園・・・ブナハウス内山・・・駒倉峠・・・高山・・・内山の大ブナ・・・ブナハウス内山・・・小町公園
総歩行距離:約9700m
累積標高差:上り 約570m 下り 約570m
アドバイス:アクセスはマイカーでブナハウス内山駐車場(5台、無料)を利用。五十河集落の先は道路が車1台の幅しかない狭さ。離合できる箇所もあるが、混雑が予想されそうなときは小町公園に駐車して、ブナハウス内山まで歩くといい(1時間)。
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プロフィール

梶山 正(かじやま・ただし)

写真家、フォトライター。著書に「ポケット図鑑日本アルプスの高山植物(家の光協会)」『山と高原地図「京都北山」』(昭文社)、『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(山と溪谷社)、『ベニシアと正3京都大原・二人の愛と夢の記録』(風土社)など。

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