隠れた名滝を巡り、大展望の大山へ。晩秋の日光・霧降高原を満喫するハイキング
静かな晩秋の日光・霧降(きりふり)高原を散策するハイキングの紹介です。華厳(けごん)の滝や霧降の滝など名だたる名瀑には背を向けて、知る人ぞ知る隠れた三つの滝を巡ります。滝と清流がつくる爽やかな空気に癒されながら、黄金色く染まった霧降高原を散策し、赤薙山(あかなぎさん)、女峰山(にょほうさん)から男体山(なんたいさん)を見渡す大山(おおやま)をめざします。
文・写真=奥谷 晶
出発は霧降の滝駐車場。霧降の滝観瀑台への遊歩道とは分かれて左方向、隠れ三滝ハイキングコースの案内板から歩き始めます。「隠れ三滝」とは霧降川にかかる丁字(ちょうじ)滝、玉簾(たますだれ)滝、マックラ滝を指します。
散策路からいったん車道に出て橋の所から渓流沿いに下りていきます。しばらくすると丁字滝の上部が見えてきます。さらに下りて回りこむと滝の正面に出ます。水量のある迫力のある垂直の滝です。
次に道標に従って霧降川の対岸に渡り、玉簾滝方面に向かいます。散策路から分かれて渓流沿いに水際を進むと、やがて視界が開け、紅葉が進んだ両岸の山にはさまれて、文字通りすだれを広げたように岩を滑り落ちる滝が見えてきます。玉簾滝です。ここでしばし癒やしの時間です。
散策路に戻り、しばらく進んで川からやや離れて斜面を登り、広場に出るとマックラ滝の標識が現われます。指示に従って進み、木製の橋を渡るとサワグルミの大木があり、その奥にマックラ滝が見えてきます。高さのある溶岩の岩棚からまっすぐ落ちる滝は、迫力満点で、近寄るとしぶきが気持ちいいです。
分岐に戻り大山方面をめざします。ここから次第に急傾斜となり、林の中を登り切ると猫ノ平と呼ばれる開けた笹原に出ます。視界が一気に広がり、赤薙山、右奥に女峰山、遠く左手に男体山が見渡せます。山腹の木々の紅葉も終わりかけですが、手前には黄金色に輝く霧降高原牧場の草原が広がり、青空との美しいコントラストを見せています。
雄大な絶景を楽しみながら笹原のゆるやかなコースを登り、いったん管理道路を経て、牧場のゲートをくぐり、再びハイキングコースに戻ります。最後のひと登りで大山山頂です。東屋があり、多くのハイカーが昼食をとり、日光連山の眺望を楽しんでいました。
(山行日程=2021年11月6日)
この記事に登場する山
プロフィール
奥谷晶
30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。
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