見どころたくさん!東京・玉川上水をたどるハイキング②三鷹から玉川上水駅へ
かつて江戸市中を潤した玉川上水。400年近くもの時を経た今では緑道が整備され、豊かな自然が保たれている。町並みや移ろう自然風景だけではなく、近現代の遺構や技術の結集も点在しており、いろいろな発見や学びが得られるのもおもしろい。
写真・文=中島タツヤ、トップ写真=上水小橋に降り立つと、玉川上水が目線の高さに
アクシデント発生
西武線鷹の台駅への道を横目に、鈴木用水がまだ並行して流れる心地よい左岸のトレイルへ。玉川上水をのぞくと、土壁がむき出しになっているのが見えた。これは江戸時代からそのままの状態なのだろうか。
都市部にある貴重な自然のオアシス。東京なのに、東京ではない雰囲気。それでいてやはりアーバンな感じ。玉川上水沿いの緑道には、なにかボーダレスな魅力がある。そんなことをぼんやり思いながら歩いていた矢先、アクシデントは発生した。
ガツン!
緑道にあった木に激突し顔面を強打したのである。あまりに突然だったため、事態の把握に時間がかかった。右岸に広がる雑木林によそ見をしていたのが原因で、完全に前方不注意である。木の根張りにつまづくことは過去何度もあったが、木に激突したのは初めての経験かもしれない。あらためてだが、玉川上水緑道には道上にも樹木や根が張り出している所もあるのでご注意を。
気を取り直して西進し、供養塔が立つ小川橋へ。ここからは北東に小川用水が分水する。すぐ先で、「新堀用水の胎内堀(ほっこぬき)」の標識を見つけたが、さきほどのアクシデントで気が動転していたのか、詳細をよく確認せずに通り過ぎてしまったのが今になって悔やまれる。
いよいよ本区間クライマックス。上水小橋で玉川上水を間近に
本区間も、いよいよクライマックス。右手に線路の架線が見えてきて、野火止用水緑道と合流。上水小橋(じょうすいこばし)に降り立つと、玉川上水の水面を間近に見ることができ、清流復活事業による再生水が流れ出ているのも確認できる。ちなみに正確な場所は不詳だが、付近から分岐する野火止用水にも清流復活事業による再生水が流れており、東村山、埼玉県の新座、志木へとはるばる流れていく。
一方、多摩川から流れてきた原水は、この上水小橋近くの小平監視所から東村山浄水場へと送られるそうだ。そしてその一部は、本区間のはじめに通ってきた境浄水場へと送られ、都民の水道水に利用されているのである。
上水小橋からは右岸に渡って緑道をしばらく歩けば、モノレールの高架が延びる玉川上水駅南口に到着する。駅名にもなっているだけあって、南口のすぐ目の前に玉川上水が流れている。
ここから先は、いよいよ羽村堰までの最後のパートになるが、次回紹介することとしたい。また玉川上水沿いに歩いたルートは、追ってヤマタイムに反映する予定だ。
都市近郊の自然探索ハイキング
都市近郊の里山を歩いていると、道や分岐が結構多く、また小さな尾根を隔てて風景がガラッと変わることもあっておもしろい。この道はどこにつながっているのだろう?また、どんな景色が広がっているのだろう?まだ見ぬトレイルや風景を求めて、都市近郊の自然探索へ
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