登りたい山と登れる山の選択、撤退の見極め、現在地の確認方法の徹底を 島崎三歩の「山岳通信」 第367号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第367号では、期間中に起きた南アルプス池口岳の事例を取り上げ、「登りたい山と登れる山の選択」、「撤退の見極め」、「現在地の確認方法」の3点の確認を促している。


11月7日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第367号では、期間中に起きた1件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 11月7日(木)、南アルプスの池口岳で、単独で入山した82歳の男性が、池口岳山頂から登山口へと下山中に道に迷い、行動不能となった。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

先週、長野県内では1件の山岳遭難が発生しました。南アルプス池口岳で発生した山岳遭難は、山頂から池口岳登山口に下山する際に登山道を外れて道に迷い、行動不能となったため、その場でビバークし、一晩を明かしました。
遭難者は上下の雨具は着ていましたが、ビバークに必要な装備(防寒衣・非常食など)は持ち合わせていませんでした。

遭難当日、登山開始は午前3時と「早出早着」の意識はありましたが、山頂に到着したのは「午後3時」とすでに行動時間は12時間に及び、下山中に登山道のマーキングを見失い、道に迷ってしまいました。幸いケガはありませんでしたが、疲労により衰弱した状態でした。疲労が激しいと普段できることができなくなったり、判断力が鈍ったりと、遭難のリスクが高まります。

「登りたい山と登れる山の選択」、「撤退の見極め」、「現在地の確認方法」に注意して、安全登山をお願いします。

【南アルプス~池口岳】
登山口(1060m)・・・[6時間25分]・・・山頂(2392m)・・・[4時間45分]・・・登山口(1060m)
標高差:1332m(東京スカイツリー2棟プラスα分/東京タワー4棟分)
※コースタイムは休憩時間を考慮していません

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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