見どころたくさん！東京・玉川上水をたどるハイキング⑤番外編 四谷大木戸から浅間橋

はじめに

玉川上水をたどるハイキング。前回で浅間橋から羽村取水堰までの紹介を終えたが、今回は番外編として四谷大木戸（よつやおおきど）から浅間橋（せんげんばし）までの区間について、触れたいと思う。

この区間はほとんどが暗渠となっていて、途中分断箇所もあるが整備された緑道や公園をたどっていく。ごくわずかにだが、一部開渠部がある。

四谷大木戸

新宿御苑の東にある四谷四丁目交差点付近は、かつて甲州街道の関所・四谷大木戸があった場所で、羽村から流れてきた玉川上水の終着地でもある。現在は近代的なビルが立ち並び当時の面影はないが、交差点の西側には高さ4mにおよぶ巨大な水道碑記（すいどういしぶみのき）と、その脇に四谷大木戸跡碑がある。

四谷大木戸跡碑は、地下鉄丸ノ内線の工事で出土した玉川上水の石樋が使われているとのことで、とても貴重な碑だ。

一方、交差点の北東にも脇の緑に囲まれた一画にぽつんと小さな碑があり、「四谷大木戸」と彫られている。石灯篭などがあるが、こちらには特に説明書きはない。

大木戸跡碑から西に向かうと、すぐに新宿御苑の大木戸門だ。その脇には内藤新宿分水散歩道が整備されていて、多くの人が散策を楽しんでいた。ちなみにこの散歩道、通行できない日時があるので、歩く際は事前に確認を。

新宿御苑の新宿門まで来ると一気に人の数が増える。都心のど真ん中なので、人混みは避けられない。ここからは暗渠部がどこを流れているのか全くわからない。とりあえず陸橋を上がり、新宿駅南口を通過。西新宿１丁目交差点から脇道の葵（あおい）通りに入る。

葵通りの入り口にある石標に「葵橋跡」とあった。かつてはここを流れていた玉川上水に橋がかかっていたのだろうが、今ではまったくその面影はない。やがて代々木二丁目あおい公園に着くが、公園の南側が少し下がっており、高低差を実感できるポイントだ。

さらに進むと、大きなモニュメントが現われる。明治時代に新宿駅構内の地下に作られた玉川上水の暗渠とほぼ原寸大だという。