伊豆ヶ岳日帰り登山と子の権現参り。今年の安全登山を祈願
読者レポーターより登山レポをお届けします。寺尾雄二さんは奥武蔵・伊豆ヶ岳(いずがたけ)へ。子の権現(ねのごんげん)では今年の健康登山を祈願したそうです。
文・写真=寺尾雄二
新年最初の週末に奥武蔵の低山ハイクへ。土曜日でしたが、飯能(はんのう)で乗り換えた4両編成の西武秩父行の電車は空いていました。
朝9時少し前に到着した正丸駅前では私を含めハイカーと思われる5名ほどが下車。正丸(しょうまる)駅はまだ日差しも届かず、極寒の冷え込みでした。改札を出たらすぐ脇の階段を下り、西武線のガードをくぐり、伊豆ヶ岳・正丸峠方面への車道を進みます。車道は小さな沢沿いの緩やかな登り坂の道ですが、日差しがなく吹き付ける風で、寒さしか感じません。30分ほど歩き伊豆ヶ岳方面の分岐に差し掛かるころ、ようやく日が当たるようになりました。
分岐点からは正丸峠方面に向かいます。ほどなく車道から登山道に変わります。登山道に入ると、また日差しが途切れ、寒さが増します。おかげで歩くペースも上がり、分岐点から30分ほどで正丸峠に到着しました。
峠に出ると日当たりはいいのですが、北西からの季節風が強く吹く付け、さらに寒さを感じました。休むと寒さで震えるので、立ち止まる気分にもならず、小高山(こだかやま)、五輪山(ごりんやま)の山頂も素通りし、そのまま伊豆ヶ岳まで進みました。
伊豆ヶ岳の山頂は見晴らしがよいので、ここも風が強く素通りかな?と思いましたが、朝方から吹き付けていた風も弱まったのか、山頂部は意外にも風の強さが気にならなかったので、ここで小休止を取りました。
正月休みの延長の週末なので、伊豆ヶ岳付近ではハイカーが多いようでした。冬枯れの葉を落とした山頂は明るく、冬の奥武蔵の雰囲気が感じられます。
伊豆ヶ岳を後に、子の権現方面へと向かいます。このルートは「関東ふれあいの道」に指定されているルートですが、伊豆ヶ岳から、古御岳(こみたけ)、高畑山(たかはたやま)を越える部分はアップダウンが激しい道になります。特に下りはザレた道に枯葉がたまっており、少し歩きにくかったです。
伊豆ヶ岳から先は、すれ違うハイカーは少なくなり、風も弱まり、静かな奥武蔵の稜線歩きが続きます。天目指峠(あまめざすとうげ)を過ぎると、小刻みなアップダウンを繰り返し徐々に標高を上げていきます。子の権現手前まで来ると、風もなく日当たり良好なベンチ前を通り過ぎます。年始め山行のグループと思われる方々が、コンロで温かい豚汁のような食事を準備していました。立ち上る湯気からはおいしそうな香りが漂ってきました。こうして食材を持ち寄って山で調理し、みんなで食べるのもいいものだな・・・と感じました。下山メシならぬ山中(さんちゅう)メシと言ったところでしょうか。
時刻は12時少し過ぎ、車でも来られる子の権現は初詣の方も多く、にぎやかな雰囲気です。私も境内の日当たりのいい場所で昼食休憩を取りました。子の権現は足腰守護の神様ということもあり、境内には大きな鉄製のわらじが設置されています。
私も今年一年、ケガやトラブルなく山歩きが楽しめるよう、祈念させてもらいました。小中学生のころ、西武線沿線に住んでいましたが、子の権現は学校遠足で何度か来た思い出もあります。
昼食後は、吾野(あがの)駅と西吾野駅の間にある「休暇村奥武蔵」めざして下山します。車道を少し下ると、めざす休暇村を示す道標があります。
道標通りに進むと途中、小ピークを上下する尾根道となります。持参の地図やスマホの地図データに歩行中の道はありませんが、ショートカットして進む道のようでした。しばらく進むと「子床峠(こゆかとうげ)」に合流します。
ここからは持参地図やスマホデータにも登山道が表示されます。そのまま登山道を下ると子床集落の車道です。車道をしばらく下ると国道に合流し、20分ほど歩くと目的地「休暇村 奥武蔵」に到着します。時刻は14時前。ここを目的地にしたのは、日帰り入浴ができるためです。西武線沿線の山歩きでは西武秩父駅付近や名栗湖(有間ダム)付近には日帰り温泉施設がありますが、吾野駅周辺では、ここの休暇村が唯一の入浴施設のようです。
温泉ではありませんが、冬の山歩きで冷えた身体には温かい風呂に浸かっての回復が、山歩き後の楽しみでもあります。休暇村からは吾野駅まで送迎のバスも運行しており、入浴後は車道歩きの負担なく、駅まで運んでもらえます。西武線の接続に合わせて送迎運行していますので、この付近の山を歩かれる方にはおすすめです。
(山行日程=2025年1月4日)
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寺尾雄二(読者レポーター)
埼玉県三郷市在住。定年退職後の現在、週1回のペースで筑波山に登っています。その他、春は残雪の北アルプス、秋は日本山岳耐久レース、元日の雲取山が年間のルーティンです。体力を維持しこれからも山を楽しみたいと思います。
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