安曇野市の低山で駅からハイキング。光城山と長峰山へ
読者レポーターより登山レポをお届けします。勝五郎さんは長野県・安曇野市の低山、光城山(ひかるじょうやま)と長峰山(ながみねやま)へ。
文・写真=勝五郎
今年初めての山は、長野県安曇野市の光城山と長峰山でした。光城山は登山道に沿って立ち並ぶ桜が有名で、4月後半になると花見をしながら登れることで知られています。長峰山は、眼下に広がる安曇野の町並みと北アルプスの山々の展望が楽しめます。
今回の山行はJR田沢駅からスタートしました。光城山登山口近くの駐車場に車を停めて登る方が多いですが、自分は縦走が目的でしたので公共交通機関を利用しました。
JR田沢駅から光城山登山口までは一般道を約30分歩きます。JR篠ノ井線の線路脇を歩き踏切を渡り、住宅街を歩いて行くと「光城山登山口」の案内板が現われます。その案内板に従って歩くと、光城山登山口に到着しました。
実は、前夜に雪が降ってしまいなんらかの影響があると思っていました。登山口周辺の積雪は1〜2cmほどでしたが、すでに無数の足跡がついていたので、問題ないと判断して登山を開始しました。
登り始めは順調でした。雪に靴が埋まることもなく、グリップもしっかり効いていましたが、次第に地面が凍っていることに気づきました。滑って転倒などしたくなかったので、早めにチェーンスパイクを装着して再スタートです。
転倒の心配はなくなりましたが、今度は雪の下に隠れた落ち葉がチェーンスパイクに絡みつくようになりました。歩きづらいですが、チェーンスパイクは外さず、頻繁に落ち葉を取りながら登って行きました。
山頂までの登山道には「さくらコース」や「アカマツコース」などコースがいくつかあります。どのコースを使っても必ず本線に合流して山頂まで行けるので、その時の気分によって選ぶのもいいと思います。ちなみに、桜が開花する4月後半がいちばんにぎわう時期です。登山道に沿って桜が植えられているので、登山者は桜の花を見上げながら山頂まで歩けます。麓からは山頂まで続く桜の木が竜に見えることから、「昇り竜が見える」と言われます。
登りが終わると急に平らで広い場所に出ます。この場所にはたくさんの桜が植えられて花見ができる場所として有名です。普段は休憩している人が多い場所ですが、この日は雪で真っ白で休憩する場所もなかったので、そのまま素通りでした。
平らな場所を過ぎると目の前に急な階段が現われます。そこを登り切ると光城山山頂(912m)です。
この日は冷たい風が吹き抜けて、古峯神社の温度計は-2℃を指していました。人の足跡は残っていましたが、誰もいない真っ白な山頂でした。古峯神社で参拝をすませ、早々に長峰山に向けて出発です。
長峰山までの道は8割ぐらいがアスファルトです。今の時期は、一般車両は入ってきません。車両とのすれ違いはないですが、路面の一部が凍っているので注意しながら歩きました。
長峰山への案内板が出てくると、再び登山道に入ります。急な道を数分登ると長峰山山頂(933m)に到着です。
山頂には、巨大なチェーンをカットしたようなモニュメントとやぐらのような展望台があります。展望台の上部へは、内側の螺旋階段を上がります。上部からは安曇野の街と北アルプスの山容が広がっていますが、この日は安曇野の街のみで、北アルプスは雲の中でした。
展望台からモニュメント下のベンチに移動しました。このベンチからの風景はさえぎるものがないので、展望台とは違った絶景が望めます。少し寒い中、ベンチに座って暖を取りながら1時間ぐらい待ちましたが、雲が切れることはありませんでした。やむを得ず「また来ればいいか・・・」と自分に言い聞かせて下山開始です。
下山は北側の雲龍寺方面で下りました。なだらかな道が続き、険しい場所はありません。ゆっくり歩けば問題なく下山できます。自分が降りた時間は午後でしたが、雪が溶けてぬかるんだ場所が多々ありました。午前中は凍っている可能性があるので、午前中に登る方はチェーンスパイクなどを装着して滑らないようにしたほうがいいでしょう。
金玉池(きんぎょくいけ)まで降りると雪はなくなっていました。池周辺には無数の石仏が置かれ、少し不気味な雰囲気です。下山後、池について調べたところ、巨人伝説が残るいわくつきの場所だとわかりました。
足元の雪がなくなったこともあり、ここからは順調に下山できました。雲龍寺まで下りると登山道がなくなり、一般道になります。
雲龍寺から一般道を歩き、住宅街を約15分歩くとゴールのJR明科駅に到着しました。
下山メシは「JR松本駅 0番線の駅そば 榑木川」で、かき揚げ山菜玉子そばをいただきました。
立ち食いのそばはボソボソな食感をイメージしますが、そばの本場・信州だけあって、二八の本格そばでした。さっぱりとした汁が平たく切ったそばに絡んで、とてもおいしかったです。自分はちょっとぜいたくなトッピングでそばを食べましたが、シンプルなきつねそばや肉そばもおいしそうでした。
松本駅に電車が到着すると「まーつもと〜、まーつもと〜」と昔ながらのアナウンスが流れ、店内に人がどっと入ってきます。そんな光景を見ながら「The昭和だな・・・」と思いながらそばをすすってました。
(山行日程=2025年1月3日)
MAP&DATA

勝五郎(読者レポーター)
奥多摩と高尾周辺を中心に活動しています。時々日本アルプスへも遠征します。山頂をめざすより、その山の自然や歴史を感じるのが好き。下山後は飲食店に駆け込みます。
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