大野山で駅からハイキング。冬晴れの富士展望と木彫りアートを楽しむ

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読者レポーターより登山レポをお届けします。naobonさんは大野山(おおのやま)で日帰りハイキング。富士展望と道中の木彫り作品が楽しい山です。

文・写真=naobon


1月の3連休は、荒天予報が好転し、関東地方は好天となったので、西丹沢の大野山に冨士見ハイキングに行きました。御殿場線谷峨(やが)駅から、山北駅に向かうルートです。谷峨駅はかわいらしい三角屋根の無人駅で、大勢のハイカーでにぎわっていました。駅からは、道標に従って、のどかな里山を登山口に向かって歩きます。酒匂川(さかわがわ) にまたがる青い吊橋を渡り、坂を登りきると、民家のそばに大野山登山口がありました。

三角屋根の谷峨駅
三角屋根の谷峨駅

登山口からは、整備された山道を歩きます。十字路を過ぎてしばらくすると、陽当たりのよい登山道となり、富士山が飛び込んできます。この季節、富士山は白い雪を被っており、青空と白い尾根のコントラストがみごとでした。ジグザグの登山道を登ると、標高634m地点に到着です。そこには「スカイツリーと同じ高さ」という看板と、木製の愛くるしいフクロウとウサギが立っていました。下山時に立ち寄ったカフェ・リーフスのマスターの話では、山北町に在住のチェーンソーアーティストの方の作品とのこと。随所でかわいい動物たちが迎えてくれるのが、歩く楽しみを増やしてくれます。

富士山ドーン
富士山ドーン
スカイツリーと同じ標高です
スカイツリーと同じ標高です

駅から1時間半ほど歩くと、大野山山頂(723m)に到着です。山頂は広場状の台地になっていて、くつろぐ人たちでにぎわっていました。ここは、左手には富士山、丹沢の山々が、右手には駿河湾が望める絶景のスポットです。大野山の山頂道標のでには、木製のウサギと鳥と犬が出迎えてくれました。うららかな日差しのもと、山頂で景色を眺めながら、早めのランチをとることにします。今日のランチはいつもと変わらず、コンビニのおにぎり、どら焼きに、ミカンです。日差しがとても暖かく、ミカンの甘酸っぱさがのどの渇きを癒やしてくれました。山頂にはテーブル席もあり、仲間と山頂クッキングを楽しむパーティもいらっしゃいました。

大野山山頂
大野山山頂
大野山山頂

ランチ休憩後、山北駅に向けて下山を開始します。山頂台地から景色を楽しみながら歩きます。牧場との分岐を過ぎると、山北駅方面に向けて下る長い階段が続きます。登山者やトレイルランナーの集団などとすれ違いつつ慎重に降りていきます。いろいろな楽しみ方のある、愛されている山と感じました。下りにもスカイツリーと同じ高さにウサギと毘沙門天(?)の像が立っていました。

牧場分岐
牧場分岐
スカイツリーと同じ高さ
スカイツリーと同じ高さです#2

日当たりのよい斜面の階段を一気に下ると、樹林帯の山道になります。ところどころ細い道がありますが、登山道は整備されていて歩きやすい道でした。樹林帯を抜けると下山口の地蔵岩に到着し、ここから舗装された道を下ります。炭焼窯の前を通り、里山をさらに下ると、不思議なキャサリン姉妹の像が。里山の中も道標がはっきりとあるので迷わずに歩くことができました。

炭焼窯
炭焼窯
キャサリン姉妹
キャサリン姉妹

あと20分ほどで山北駅という地点に、山小屋風のすてきな喫茶店「カフェ・リーフス」がありました。当初の予定になかったのですが、お汁粉のメニューに惹かれ、吸い込まれるように店内へ。木目調の温かい雰囲気にほっとします。下山メシならぬ、下山菓子とばかり、季節限定のお汁粉と金太郎牛乳をいただきました。これがまた五臓六腑にしみわたります。このカフェのマスターは、山好きが高じて20年以上前にこの地に移住されたとのこと。カフェの温かみのある建屋も家具も、手作りだとお聞きしました。

カフェ・リーフス
カフェ・リーフス
季節限定のお汁粉
季節限定のお汁粉

まだ時間も早かったので、カフェ・リーフスのマスターからおすすめされた「洒水(しゃすい)の滝」へ向かうことにしました。洒水の滝は、日本の滝100選にも選ばれている名瀑で、カフェから舗装路を歩いて30~40分くらいのところにあります。途中、立派な橋を渡り、滝への遊歩道を進むと、まっすぐに落ちる凛とした滝の姿が印象的でした。なお、「洒水」とは密教用語で清浄を念じて注がれる香水のことだそうです。滝の入り口には無人の直売所もあり、地元産のユズやミカンなどが置いてありました。

洒水の滝
洒水の滝

洒水の滝から山北駅までは舗装された道を歩きます。途中、ロウバイがきれいに咲いていました。

ロウバイ
ロウバイ

山北町健康福祉センター内にある「さくらの湯」で山の疲れを癒した後、山北駅前にあるYAMAKITAバルで〆の下山メシです。生ビールと、山北名物の「べえ焼き」「絹華の冷ややっこ」などを堪能しました。身も心も満たされて、帰路に就きました。

山北名物の「べえ焼き」
山北名物の「べえ焼き」

(山行日程=2025年1月11日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 5時間3分
行程:谷峨駅・・・車道・・・大野山・・・犬クビリ・・・古宿・・・高架下・・・大野山入口・・・樋口橋交差点・・・分岐・・・洒水ノ滝入口・・・洒水ノ滝・・・洒水ノ滝入口・・・分岐・・・樋口橋交差点・・・山北駅
総歩行距離:約13,300m
累積標高差:上り 約997m 下り 約1,052m
コース定数:24

関連リンク

naobon(読者レポーター)

naobon(読者レポーター)

東京都在住、神戸市出身。夏山シーズンは日本アルプスの稜線縦走を、冬は低山・里山ハイキングや山城巡りを、気ままに楽しんでいます。山行後の温泉とビールにこの世の極楽を感じる、週末ハイカーです。

この記事に登場する山

神奈川県 /

大野山 標高 723m

丹沢山塊の南西部の代表的な山で、山頂一帯は牧場になっていて、なだらかな草山となっている。草原のような山頂からは、丹沢湖と丹沢、富士山や箱根の山々、足柄平野などが眺められ、絶好の展望台となっている。草原に寝そべりながら、富士山を仰いだり、足下に広がる丹沢や箱根の山々の展望とともに心ゆくまで楽しめる。 4月29日に行われる大野山山開きでは、牛乳の無料配布などのサービスがあり、多くのハイカーで賑わう。

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