武蔵野の雑木林ホッピング。野火止用水をたどるハイキング②
野火止(のびどめ)という名には、雑木林や田畑が広がる武蔵野を連想するような響きがある。玉川上水の分水の一つ・野火止用水周辺には所々に雑木林が残っており、ふと出くわす風景にどこか懐かしさを感じられるかもしれない。
写真・文=中島タツヤ、トップ写真=野火止用水沿いの緑道。東大和市付近にて
野火止用水が木の下をくぐる?
恩多町(おんたちょう)一丁目交差点からは野火止用水右岸の側道へ。大きな事業所の建物が目につくようになるが、風景は次第にのどかな雰囲気に変わっていく。その先菊水橋付近から畑が現われ、野火止用水は南に屈曲していく。
やがて、祠がある萬年橋に到着。ここには万年橋のケヤキと呼ばれる大きなケヤキが立っている。これが、ただのケヤキではない。なんと、野火止用水が根の下を流れているのだ。野火止用水を開削時にはまだ木は小さかったのだろうか、それとも、もともとあった大木を残したのだろうか・・・?
その先、雰囲気のある家並みを過ぎた所に水車苑がある。訪れた時、水車は動いていなかったが、それよりも気になったのが脇にそそり立つ巨石だ。いったいどうやって運んできたのだろうか。その後、広い敷地に立つ稲荷神社を過ぎ、新青梅街道へ。
さて、ここまでほぼ開渠だった野火止用水も、新青梅街道の先は西武新宿線の踏切部分を除いて暗渠区間が長く続き、西武多摩湖線八坂(やさか)駅手前あたりからまた開渠となる。八坂駅手前部分でランナーや自転車が行きかう狭山・境緑道を過ぎ、府中街道の幹線道路に出る。
府中街道の八坂交差点脇には「九道(くどう)の辻」の標が立つ。かつてはここで9つの道が交差していたという意味だと思うが、地図で見ると現在分岐する道は6本である。
都市近郊の自然探索ハイキング
都市近郊の里山を歩いていると、道や分岐が結構多く、また小さな尾根を隔てて風景がガラッと変わることもあっておもしろい。この道はどこにつながっているのだろう?また、どんな景色が広がっているのだろう?まだ見ぬトレイルや風景を求めて、都市近郊の自然探索へ
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