軽量で防水・防塵性能も高い頼れるヘッドランプ レッドレンザー/HF4R CORE|高橋庄太郎の山MONO語りVol.115

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専用の充電端子で、防水・防塵性能も高い

付属している専用ケーブルは先端がマグネットになっており、ヘッドランプの端子部分にきれいにくっつく。

レッドレンザー/HF4R CORE

内蔵バッテリーを使う既存のヘッドランプの多くは、USB端子の差し込み口にゴムのようなカバーをつけて防水性を高めている。しかし、そのカバーが外れればヘッドランプ内に浸水し、水ではなくても差し込み口に砂などの異物が入り込めば故障を起こす原因となる。その点、マグネットでくっつけるだけのHFシリーズは差し込み口そのものが存在せず、内部と外側はポリカーボネート製のボディで完全に仕切られている。水も異物も入りようがなく、だから故障にはとても強い。これはHFシリーズの最大の長所といってもいいだろう。

テスト時は雨が降らなかったため、以下の写真は自宅に帰ってから庭に置いてあるメダカやエビを飼育している水槽のなかにHF4R COREを水没させて撮影したものだ。

レッドレンザー/HF4R CORE

さすが防水性が高いヘッドランプだけあって、水中でも難なく光っている。メダカとエビは強い光に反応して片隅に逃げ込んでしまったが、動きが遅いカワニナという貝だけはライトの先で照らされっぱなしで、少々気の毒ではあった。

HF4R COREの「防水・防塵」性能を表すIPコードは、「IP68」。これは防塵が6等級で、防水が8等級という意味であるが、そもそも防塵性は「0~6」の7等級、防水性は「0~8」の9等級で表すため、どちらも最上レベルということだ。ちなみに、防塵性の6は「粉塵が内部に入らない」、防水性の8は「継続的に水没しても内部に浸水しない」ことを表している。

リチウムイオン内蔵バッテリーの残量は、インジケーターを見ればすぐに判断できる。

レッドレンザー/HF4R CORE

このインジケーターは1つの点につき、約25%の残量を示している。上の写真は3つが点灯を続け、1つは点滅している状態。つまりバッテリーの残量は75~100%の間というわけだ。この 内蔵バッテリーは0%の状態から100%まで約3時間で充電可能である。

付属ケーブルのマグネット端子の反対側の端子は、USB-Cである。僕がこのときに持っていったモバイルバッテリーはUSB-Cに対応していたので、テント内でもスムーズに再チャージでき、不便さは感じなかった。

レッドレンザー/HF4R CORE

だが、モバイルバッテリーによってはUSB-Aしか対応していないものもある。だが、この専用ケーブルはあくまでもUSB-Cだ。USB-Aに対応した専用ケーブルは付属していないので、場合によってはUSB-C対応のモバイルバッテリーに買いなおすしかない。また、旅先のどこかで充電する際にも、その差し込み口がUSB-Cに対応しているかはわからず、適合しないと少々厄介ではある。

レッドレンザー/HF4R CORE

そこで僕は別途、USB-CをUSB-Aに変えるアダプターを探して購入。上の写真のような状態で専用ケーブルを持ち歩き、今回のテストに備えておいたのだった。

まとめ:軽量で防水・防塵は最高レベル、明るさも充分

内蔵バッテリー込みで72gと軽量で、充分な明るさをもつHF4R CORE。12lmに明るさを落とせば35時間も使えるのだから、テント周りや山小屋内での使用には充分である。

レッドレンザー/HF4R CORE

しかし、早朝・夜間の山中での行動時間のためには120lmの明るさが現実的であり、使用時間は5時間になる。そう考えると、モバイルバッテリーを別途持参することは検討しておかねばならない。もっとも山中でスマートフォンを使うことが当たり前になってきた現代では、多くの人はすでにモバイルバッテリーを持っていっていることだろう。

少しだけ気になるのは、充電用の専用ケーブルだ。専用ゆえに、これを破損したり紛失したりした途端に使用不可能になる。手荒に扱わないように注意したい。

個人的には、これだけ小型で軽量なのに、防塵性、防水性ともに最高レベルの「IP68」を実現しているのは本当にすばらしいと思う。しかもHF4R COREは2mの落下試験にも合格しているのだ。この手のテストはかなり余裕をもった基準になっているため、実際はもっと高いところから落としても壊れないに違いない。このタフさは山中での安心感を格段に高めてくれる。ひとつ手に入れれば、頼もしい存在になりそうだ。

今回のPICK UP

レッドレンザー
HF4R CORE

レッドレンザー/HF4R CORE
重量 72g
価格 6,600円(税込)
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プロフィール

高橋 庄太郎(たかはし・しょうたろう)

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学』(ADDIX)ほか著書多数。
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高橋庄太郎の山MONO語り

山岳・アウトドアライター、高橋庄太郎さんが、最新山道具を使ってレポートする連載。さまざまな角度からアウトドアグッズを確認し、その使用感と特徴を余すことなくレポート!

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