カタクリが咲き始めた、春の筑波山へ
読者レポーターより登山レポをお届けします。寺尾雄二さんは行きつけの山、筑波山(つくばさん、877m)へ。春めいてきたようです。
文・写真=寺尾雄二
年度末の月曜日、いつもの筑波山へ。車を神社近くの駐車場に停めて出発します。寒の戻りとなった気候と曇天のため、車から出ると空気がひんやりとしています。ただし先週までの暖かさで、山麓付近や筑波山神社の境内ではサクラが咲き始めていました
神社で拝礼し、社殿右側の白雲橋(しらくもばし)コースから登り始めますが、日差しもなく、冷え込んでいるので、耳当てと手袋を着用します。平日の月曜日ですが、春休みの時期でもあり、学生グループのハイカーも見かけます。白雲橋コースの途中、弁慶茶屋跡のあずまやでは、年配のハイカーのグループが休憩していました。
あずまやから先は広葉樹の明るい道ですが、山麓に比べると、木々の芽吹きはまだ少し先、といった感じです。山頂に近づくと登山道の脇に残る雪も見かけるようになります。
女体山(にょたいさん)山頂はケーブルカーで訪れる観光客もおり、平日にしては比較的にぎやかな雰囲気です。曇り空のため視界は霞ヶ浦(かすみがうら)までは望めるものの、富士山や丹沢、奥多摩方面の山は見えませんでした。
女体山を後に山頂連絡路を御幸ヶ原(みゆきがはら)方面に向かいます。途中にあるカタクリの里遊歩道の中を進みます。気温が低いので、あまり期待はしていませんでしたが、よく探すとわずかながら咲き始めたカタクリを発見しました。ちょうど雲の切れ間から日差しも届き、少しばかり暖かさも感じ、春の雰囲気です。
カタクリを観賞したあとは御幸ヶ原に向かいます。ケーブルカーの山頂駅でもある御幸ヶ原では、春休み中の子どもを連れた親子も見かけます。
御幸ヶ原からは、男体山(なんたいさん)に向かいます。日差しはさえぎられ、風も当たるようになり、また寒さを感じるようになりました。男体山頂は西側に展望が開けますが、曇り空のため、やはり丹沢、奥多摩の山々までは望めませんでした。
帰路は、いったん御幸ヶ原に戻り、筑波山神社へと下ります。まだ時刻は昼前なので、下山途中、これから山頂に向かうハイカーとも所々ですれ違います。2日前の降雨のせいか、足元の登山道は多少ぬかるんでおり、スリップに注意しながら下ります。
下山した筑波山神社では、翌日の4月1日に例大祭の「御座替際」(おざがわりさい)が執り行なわれます。これは、山頂社と里宮との御神体を交換する神事で、神輿が山を往復します。毎年、春と秋(11月1日)の2回行なわれ、この日は神社入り口にある普段閉鎖されている朱塗りの御神橋(ごしんきょう)を一般の方も渡ることができます。
山麓や筑波山神社付近のサクラ、また山頂のカタクリはこれからが見頃を迎えるので、今度の週末からはお花見を目的としたハイキングに最適な時期かと思います。
(山行日程=2025年3月31日)
MAP&DATA

寺尾雄二(読者レポーター)
埼玉県三郷市在住。定年退職後の現在、週1回のペースで筑波山に登っています。その他、春は残雪の北アルプス、秋は日本山岳耐久レース、元日の雲取山が年間のルーティンです。体力を維持しこれからも山を楽しみたいと思います。
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