「名物にうまいものなし」とは言わせない! 榛名湖名物のワカサギ丼に舌鼓する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

上毛三山のひとつ、榛名山と言えば榛名湖。榛名湖の名物といえばワカサギ料理。軒を連ねる名物・ワカサギ丼を食べさせるお店の中で見つけた、ベストチョイスの店とは?

 

失敗・残念も恐れずに、ご当地グルメを味わいたい!

ご当地の名物料理はとりあえず食べてみたいと思うタイプだ。地元で採れる食材を生かした料理や、地域の文化に根付いた郷土料理。一時期は町おこしも兼ねたようなご当地B級グルメも流行った。

味わうことで、地域の食文化に触れ、その地域に親しみを持つことができる。下山後、その地域にご当地グルメがあれば、せっかくなので味わってみたいと思う。

最近訪れて、ちょっとお気に入りになってしまったのが、榛名山の帰りに食べたワカサギ丼だ。

榛名山は、山上湖である榛名湖を取り囲むようにそびえる山々の総称だ。榛名湖の湖畔、プリンを伏せたような形の榛名富士がひときわ目を引く。最高峰の掃部ヶ岳や、ちょっとした岩稜歩きが楽しめる相馬岳など、短時間で登れる割に歩きごたえのある山が多い。ちなみに榛名富士はロープウェイで山頂まで登れる手軽な山だ。

正面に見える形の良い三角錐の山が榛名富士だ

 

榛名湖の名物がワカサギ料理。湖でとれたワカサギをフライなどで味わう。湖畔には土産物屋や食堂が点在していて、その大半のお店でワカサギ料理が味わえる。定番はフライ定食、そしてワカサギ丼。ワカサギの旬は冬だが、通年で味わうことができる店がほとんどだ。

春に榛名山を訪れたときのこと。掃部ヶ岳を歩き、今日はワカサギだなぁ、フライの定食がいいかな、丼がいいかなと考えながら、湖畔に下山。どの店にも「ワカサギ」の看板やのぼりが立てられている。

さあどの店にしようか。グルメサイトの口コミ情報などで調べればよいのだが、深く考えずに「ここだ」と思った店に入るのが私のいつものパターン。

すると大当たりなときもあるが、そうでないときもある。小さいワカサギフライががイカダのようにうっすら並べられた、若干残念なワカサギ丼に出会ったこともある。

 

まるで榛名富士!? ワカサギが山盛り!

たぶんそのときとは違うと思われる店にふらりと入った。店頭の写真付きのメニューが美味しそうに見えたのと、名前がちょっと洒落ていたから。

窓越しに榛名湖と榛名富士を眺めながらしばし待ち、ワカサギ丼が出て来た。おお、大きめのワカサギフライが山盛りではないか。

まずはフライをひとくち。アツアツ、サクサク。ふっくらとした魚の風味がふんわりと口の中に広がった。続いてご飯とともに一口。うっすらかかった甘辛のタレとの相性もよい。今日の店は当たりだ。

フライがおいしいからビールが飲みたくなるけれど、飲んだらきっと食べきれない。なかなかなくならないフライにニヤニヤしながら食べ進める。

セットでついていた小鉢は、たけのこと山菜の煮物だった。やさしい味付けで、山菜のほろ苦さ、えぐみがいい感じに伝わる。いいねえ、春だなあ。

名物にうまいものなしとはいうけれど、本当にうまくないのかうまいのかは食べてみてから決めること。飛び込んでみなければうまいものには出会えない。

今度はどの山で、どんな「名物」に出会えるだろう。

 

今日のお店

榛名湖ロマンス亭
群馬県高崎市榛名湖町848
電話:027-374-9217
http://www12.wind.ne.jp/romansutei/pc/

 

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

編集部おすすめ記事