旬のミツマタに出会いに、都留アルプスへ

読者レポーターより登山レポをお届けします。naobonさんはミツマタが見頃の都留（つる）アルプスへ。

文・写真＝naobon

3月の最後の休日は、見頃を迎えたミツマタの群生を見に、山梨県都留市の都留アルプス縦走を楽しみました。土曜日はあいにくの雨でしたが、日曜日には雨も上がり、晴れ間ものぞくハイキング日和でした。

この日は、都留市駅をスタート地点とする、都留市主催の「都留アルプスフリーハイキングイベント」も開催されていましたが、私はゴール地点を温泉にしたかったので、イベントとは逆ルートで、都留文科大学前駅スタートで歩くことにしました。

都留文科大学前駅からは、目の前に都留アルプスがそびえ立っています。同大学のキャンパスの横の坂道を、登山口をめざして登ります。楽山球場の脇道を通過し、登山口に到着。登山口には、かわいらしいトイレがありました。ちょうどここで、東桂駅方面からの登山道と合流しており、ちょっとした休憩地にもなっているようでした。

登山道は、前日までの雨の影響で日陰が所々ぬかるんで滑りやすくなっていたため、慎重に歩きます。登山口から20分ほど歩くと、ミツマタ群生地に到着します。ミツマタの花々はちょうど満開で、斜面一面に白と黄色の交じった花々が咲き誇ります。お花畑を上からも眺められるよう、斜面沿いに歩道も整備されていました。ぬかるんだ斜面をゆっくり登り、ミツマタの華やぎある群落を楽しみました。

しばらくミツマタの花畑を楽しんだあと、縦走路に戻ります。都留アルプスハイキングイベントは盛況で、いくつものパーティとすれ違いました。途中、ヤマザクラが花びらから水滴を落としながら咲いていました。雨上がりだからこそ見える自然に咲く花の姿で、印象的でした。

30分ほど緩やかな登り基調の登山道を進むと、都留アルプス山頂（713m）に到着です。山頂はちょっとした広場になっており、早めのランチを楽しむ人たちでにぎやかでした。本日の最高峰の写真を撮り、先に進みます。

ここから急坂を下り少し歩くと、視界がバーンと広がり、都留市の街並みが一望できるところに着きました。さらに歩みを進め、友愛の森の休憩場所（あずまや）を通過し、天神山（てんじんやま）山頂（580m）です。

天神山山頂から10分ほど歩いた鍛冶屋坂というところに、「ピーヤ」と呼ばれるアーチ状の水路橋があります。ピーヤとは地元の通称で「桟橋＝pier」を意味するそうで、大正時代に建造されたものです。水路橋のアーチの真下で手をたたくと、「鳴き龍」といわれる独特の反響が楽しめます。ピーヤのそばには神社があり、静かにピーヤやハイカーを見守っているようでした

ビーヤから、再度登り返して、登り基調の道をしばらく進み、分岐を左にいくと、パノラマ展望台に到着です。ここからは、今日登山時に通った都留文化大学が遠くに見えました。晴れていれば富士山や三ツ峠山も見えるはずでしたが、今日は残念ながら雲の中でした。たどってきた道を眺めながら、ここで昼休憩をとります。

パノラマ展望台から分岐に戻りさらに登ると、長安寺山(ちょうあんじやま、654m)に、さらに進むと白木山（しらきやま、625m）に着きます。白木山山頂道標は登山道上にあったようですが、うっかり見逃してしまいました。

縦走路もいよいよ終盤です。円通院の分岐を過ぎ、急坂を登ると、今日最後のピークである蟻山（ありやま、658m）に到着です。ここには、戦国時代に造られたというのろし台跡があります。四方の見晴らしもよく、見張り台として機能していた時代へと思いを馳せます。ちなみに、今は通信の要所となっているとのことでした。