単独滑落遭難者が無事生還できた理由を動画で紹介  島崎三歩の「山岳通信」 第112号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年5月28日に配信された第112号では、各遭難事例に加え、北アルプス・白馬岳周辺での遭難救助の様子を記録した動画を公開している。

 

5月15日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第112号では、5月16日~20日に起きた5件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 5月16日、南佐久郡佐久穂町の八千穂高原スキー場付近の山林で、85歳の女性が山菜採り中に同行者とはぐれ、行方不明となる山岳遭難が発生。翌17日に、警察・消防などにより無事に発見・救助された。女性は滑落して足に軽傷を負っている模様。

  • 5月16日、中央アルプス越百山で、単独で入山した58歳の男性が南駒ヶ岳から下山中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。のちに無事救助された。

  • 5月17日、北アルプス鹿島槍ヶ岳で、20歳の女性が大谷原登山口から鹿島槍ヶ岳へ向けて登山中に、赤岩岳尾根高千穂平付近で滑落・負傷し行動不能となる山岳遭難が発生。翌18日、県警ヘリにより救助された。女性は頸椎骨折で重傷の模様。

鹿島槍ヶ岳赤岩岳尾根高千穂平付近での遭難現場の様子(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)5月25日付)

 

  • 5月20日、長野県上田市丸子地籍金凰山付近で、単独で入山した61歳の男性が、金凰山から下山中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。のちに無事に救助された。

  • 5月20日、北アルプス燕岳で、42歳の男性が燕山荘から合戦小屋へ向けて下山中に足を滑らせて滑落し、行動不能となる山岳遭難が発生。山岳遭難防止対策協会の救助隊員により救助された。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

この時期は、稜線上には残雪がなくても、樹林帯の中には残雪があるため、登山道が分かりにくい場合があり、道迷いや滑落などに十分注意する必要があります。
登山を計画する場合は、登山する山域の積雪状況や危険箇所などを確認し、残雪がある場合はピッケルとアイゼンを携行し、必要に応じて適正に使用するようにしてください。
また、登山中は、登山地図やコンパスなどを利用し、こまめに現在地を確認するなど、慎重な登山を心掛けてください。

 

長野県警より ~北アルプスの遭難救助活動の動画を公開

長野県警察では、YouTube公式チャネルに「北アルプス白馬岳における単独滑落遭難」の動画を公開しました。

本動画は、島崎三歩の「山岳通信」第109号で記載している山岳遭難で、単独で入山して負傷し、3日後に救助された事例です。単独滑落遭難者が無事生還できた理由を、ぜひ動画で確認し、今後の登山活動に生かしてください。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

編集部おすすめ記事