新緑の伊東アルプスで、山と海の絶景を楽しむ
読者レポーターより登山レポをお届けします。naobonさんは伊豆の伊東アルプスへ。
文・写真=naobon
4月も半ばを過ぎ、サクラも葉桜へと移ろいつつある季節、海と山と両方の景色を見たくて、伊豆の伊東近くにある、伊東アルプスを歩きました。
週末の伊東駅は、多国籍の旅行客でにぎやかです。駅舎はシンプルでかわいらしい雰囲気。駅前にはパン屋SAZANKAさんがおいしそうなパンの出店を出していました。ここ伊東駅が伊東アルプスの出発地点。駅から5時間くらいで周回できること、駅前に温泉があることも、伊東アルプスの魅力です。ちなみに、伊東温泉は、日本で3番目に湧出量の多い温泉地だそうです。
伊東駅から、駅前大通りを抜け、住宅地の急坂を上ること40分、大平山(おおびらやま)の登山口がある丸山公園に到着です。丸山公園内は、花や木々がきれいに整備されている里山の道が続きます。すでにサクラは葉桜となっていましたが、山の尾根の木々の緑が若々しく、新緑で萌えています。
登山道上には「ゆったり湯めまちウオーキングコース」の道標が要所要所で立っており、この道がいろんな人に愛され歩かれていることがわかります。ちなみに道標はみかん色。みかんの名産地の静岡ならではの道標に導かれながら、歩みを進めます。
緩やかな登山道を登っていく途中に、江戸城の石垣の石を切り出したという、石切丁場跡がありました。よく見ると、石切場の近くには大きな石がごろごろと転がっています。石についている独特のマークは、石を切り出した藩の印だそうです。(写真は加賀藩のものとのこと)この山の尾根から、石垣用の大きな石を、どのように下ろして、どのように運んだのかなど、想像をするだけでも昔の人の知恵と力に脱帽します。
江戸時代の歴史が残る石切丁場から、現代に戻り(?)しばらく歩くと、木々が開けて独特の形状をした大室山(おおむろやま)が見えました。さらに傾斜が緩やかになり広場になったと思うと、大平山の山頂に到着しました。山頂は、葉桜のトンネルとなっていました。サクラの満開の時期には、お花見にもってこいの場所でしょうが、この日はお昼時でも2組のみ、という静かな山頂でした。ここで、ランチタイム休憩をとります。
大平山山頂からは下り基調の新緑の道を歩きます。途中、サクラの花々がきれいに咲いており、しばし花見散歩と新緑散歩の両方を楽しみます。
急な坂道を降りきると、四辻という分岐を越え、柏峠に到着です。ここからやや広めの道を道なりに進みます。道標に従い左手の丘の坂道を少し登ると広い原っぱに出て、一気に視界が広がります。ここまでの道のりは出会う人がほとんどいなかったのですが、ここではのんびりベンチでくつろぎ景色を楽しむ人たちなどで、にぎわっていました。牧場のように広がる草原からは、伊東の町から太平洋まで壮大な風景が望め、いつまでものんびり景色を楽しみたい場所でした。この自然豊かな展望台と伊東の街を往復する人も、結構いるようです。
しばらく景色を楽しんだあと、自然林の道をのんびり散歩しながら下山しました。下山口を過ぎると、坂道沿いに住宅が建ちならび、この地の人の営みと自然の近さを改めて感じます。坂の先は温泉街、そして海へと続く道。新緑の山の息吹と海の景色に思いをはせつつ、伊東の温泉でゆったり癒された山旅でした。
(山行日程=2025年4月12日)
MAP&DATA

naobon(読者レポーター)
東京都在住、神戸市出身。夏山シーズンは日本アルプスの稜線縦走を、冬は低山・里山ハイキングや山城巡りを、気ままに楽しんでいます。山行後の温泉とビールにこの世の極楽を感じる、週末ハイカーです。
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